2009年7月29日滋賀県秦荘中学校の柔道部で顧問に投げられた直後に意識不明になり、約1ヶ月後に急性硬膜下血腫で死亡した村川康嗣(当時12歳)の柔道事故の真実を明らかにし、それを多くの方に知ってもらうためのブログです。
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本日(2012年3月22日)、私達が刑事告訴をしていた元顧問と学校長が滋賀県警によりそれぞれ書類送検をされました。
元顧問は傷害致死罪で、学校長については業務上過失致死罪で、遺族が告訴した容疑での書類送検です。

刑事告訴をしたのが2010年の2月25日ですので、書類送検までに2年1ヶ月の歳月が流れた事になります。
遺族にとっては、長い2年1ヶ月でした。

今回の書類送検は、遺族からの告訴状によるものですので、あくまでも刑事訴訟法にもとづいた手続きでしかありません。
刑事告訴をしている案件ですので、警察は必ず捜査を行わねばならず、その捜査結果を(捜査結果がどうであろうと)必ず検察に送付しなければなりません。

今回の書類送検は、捜査書類が検察に送くられたことでしかなく、この送検によって、罪状が確定したわけでも、過失が認められた訳でもありませんし、加害者が必ず起訴をされるという事に繋がるものでもありません。

したがって、書類送検された事自体やその内容について一喜一憂すべきものではないと思っています。
しかし、長い歳月の末での送検でしたので、これでようやく次のステップに進むことができるという思いも強く、安堵もいたしました。

今後、注視すべきは、この送検を受けた検察がどのような判断を下すのかという事にあります。
むしろ、これからが刑事告訴の正念場となり、今後は検察に対して顧問と学校長の起訴と公判を求めて行くことになります。

学校管理下では、28年間で少なくとも114人の子供が柔道事故で亡くなりました。
これほど多くの子供が亡くなっていながら、学校管理下の柔道では、柔道技による死亡事故について、過去に一例も刑事事件として起訴された例はなく、加害者や管理責任者の刑事責任が問われたことはありませんでした。
私は、それ自体が異常なことであると思っています。
常識的に考えても、114人の子供が亡くなったすべての事故において、加害者や管理責任者に刑事責任が無いと考えること自体に無理があります。

このような判断が続いたのは、柔道技による死亡事故は、指導者に正しい知識さえ有れば防ぐ事ができること、事故の多くは、知識不足の指導者による無理で無謀な指導によるものであることなど、柔道事故の実態が検証すらされてこなかった事にあると思います。

そして、このような判断が続いた事が、本来責任をとるべき者が責任を負わなかった事に繋がり、柔道事故を抑止することなく、また新たなる柔道事故へと繋がっていったのです。

昨年、大阪地裁において民間の柔道教室で起こった柔道技による死亡事故について、加害者である指導者に日本で初めての有罪判決が下されました。
これは、柔道事故の実態が広く認知された結果としての、大きな司法判断の転換であると思います。

最も多くの死亡事故が発生している学校管理下の柔道事故についても、時代に即した、そして柔道事故の実態を鑑みた新しい判断が求められます。

今回の書類送検を受け、大津地方検察庁が早期に起訴をされる事を切に願っています。

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【2012/03/22 21:13】 | 刑事告訴
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前回、一宮元講師の予見可能性と結果回避可能性について触れました。

過失とは損害が予測できることを前提に(予見可能性)、その予見できた損害を回避する行為義務(結果回避義務)を怠った事で認定されます。
この事が刑事事件の場合、起訴をするかどうかの判断の基準ともなる非常に重要な内容です。

一宮元講師の場合、柔道部の指導者というだけでなく中学校の体育の教師という立場にあった人間ですから、柔道指導者として柔道の安全に関する知識を持っている事はもちろん、広く継続的に安全知識を得なければいけいない事は当然ですが、更に体育教師としてもスポーツ全般にわたる安全知識を持っていてしかるべき人間です。

一般の柔道指導者よりも更に深く広い安全知識を保有し、また、継続して安全に関する情報を収集する事が求められます。
このことから、当然に初心者に過酷な練習をさせればどうなるか、さらに既に体調の異変がある事を認識していながら他の部員よりも過酷な練習をさせればどうなるか、事故は十分に予見でき、結果を回避する事も可能であったというのが前回の記事内容です。(前回の記事は一部加筆した内容で更新しておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。http://judojiko.blog58.fc2.com/blog-entry-136.html

では、私達が業務上過失致死罪で告訴をしている北村校長についてはどうでしょうか。

康嗣の事故の前に、すでに一宮講師は柔道部において生徒が鎖骨を骨折し、それを放置していたという事故を起こしています。
すでに一度、事故を起こした指導者に対して、二度と事故が起こらないように十分に監督する責任が北村校長にはあります。また、骨折事故が起こった際に、適切な処置をせずに、それを放置していたのですから、継続して一宮講師を厳重に監督し指導する事が求められます。
このような指導者であれば、更に重篤な事故が起こる事を学校の管理者としては想定するのが当然であると考えます。

まったく事故のなかった部活動で起こった死亡事故とは異なるのです。
すでに安全配慮を欠く事故が起こっている部活動においては、更なる事故が起こらないよう事故を想定し、指導者を監督する責任があると考えるのは当然です。

北村学校長にも事故の予見は可能であり、正しく指導をしていれば、事故は回避できたと考えます。


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【2011/04/12 11:16】 | 刑事告訴
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柔道事故の場合、刑事でも民事でも大きく問われるのが予見可能性結果回避可能性の問題です。

特に刑事事件の場合、この二つは非常に重要であり、起訴をするかどうかの判断の基準ともなります。
過失とは損害が予測できることを前提に(予見可能性)、その予見できた損害を回避する行為義務(結果回避義務)を怠った事で認定されるからです。

予見可能性は、その事故が発生することが予見できたかどうか。
結果回避可能性は、事故を回避できたかどうか。
という事になります。



多くの場合、事故を起こした指導者側はこの二つの問題について
「事故は予見できるものではなかった」
「事故を回避する事はできなかった」
と主張をします。

先日、ご紹介した3月16日に出された松本市の柔道事故裁判の判決は、この二つについて指導者側の主張を退けました。
その理由は、実に単純にして明確です。

予見可能性については、

1.柔道では投げ技をかけた時に、死にいたる重大な頭部外傷による事故が多く発生する事は(全柔連の指導書にも明記されている程)既知の事実である事。

2.柔道を含むコンタクトスポーツでは回転加速度による架橋静脈損傷を機序とする急性硬膜下血腫が多いとされ、これは医学的知識としては一般的と言える事。

3.これらの知識やこのような事故を防ぐための指導方法は、一般の書店で販売されているスポーツ指導者を対象とした一般的な文献にも記載されている事。

これらの事実を挙げたうえで、

柔道の指導者であるなら、加速損傷の厳密な医学的発生機序はともかく、少なくとも頭部を直接打撲しなくても急性硬膜下血腫が発症する事は容易に取得可能な情報であるとしました。

そして、

1.柔道の指導者であるならば、随時こうした情報を取得するように努力をすべきである。

2.体格差のある未成年を指導する場合においてはなおさら必要な知識というべきである。

3.このような知識を得ることは事故当時においても決して困難を伴うものではなない。

として、事故を未然に防ぎ、事故の被害から指導を受ける者を保護する立場にある柔道の指導者であるなら少なくとも認識を出来る知識であるとし、投げ技をかける事で事故が発生する事は予見可能であったとしたのです。

被告側は、加速損傷という知見は、高度の医学的専門知識であり、社会一般的にも柔道指導者一般が認識し又は認識すべき医学的知識ではないと主張し、加速損傷によって急性硬膜下血腫が発症する事は予見できず、予見可能性は無いと主張していましたが、すべて完全に否定された形となりました。

結果回避可能性については、

被告である指導者側は、柔道の投げ方というのは必然的に回転運動をともなうものであり、それを避けることはできない。
乱取り練習ではそのような回転加速度がかかるような練習をするのが当然であり、他の方法は考えられない。
したがって、(事故が起こったという)結果を回避するすることは出来なかったと主張しました。

これに対して判決では、
投げ技で頭部に回転加速がかかることは不可避であるとしても、必ず本件のような架橋静脈損傷による急性硬膜下血腫が発症するものではない。
したがって、指導される者が対応できるような適切な練習をしていればこのような結果は回避できたとしたのです。

適切な練習さえしていれば、事故は発生しなかったという事です。



民事の事例であはりますが、この松本の判例を、我が家の件に当てはめて考えたいと思います。

一宮元講師は、柔道部の指導者であると同時に中学校で体育の授業を受け持つ教師という立場にある人間です。
柔道に関する安全知識を持ち、尚かつ継続して柔道に関する安全知識を収集する事は当然とし、体育教師としてもスポーツ全体の安全性についての知識を得る努力をしなければいけません。
当然ですが、一般の柔道指導者以上に、脳震盪の危険性やセカンドインパクトシンドローム、加速損傷の知識はもっていてしかるべきです。
また、柔道の指導者としては、柔道における頭部外傷事故の多さ、学校活動での柔道事故の多さも既知の事実として認識をしているべきです。

その上で、水を飲みにいくときに水筒の置いてある方向と違う方向にフラフラと歩いている事を認識していながら、また、既にフラフラで立つのもやっとだという状況を認識していながら過酷な練習を続けさせ、最後に自分が乱取りの相手になり受身の取りづらいとされる激しい返し技で投げればどのような事になるのか。

柔道指導者としても体育教師としても、十分に事故は予見できたというべきです。


結果回避についても同様です。
初心者である康嗣が出していたサインを見落とさず、無理のない適切な練習さえさせていれば、十分に事故は回避できたのです。
それを、初心者であるにもかかわらず、さらに既に限界を超えた体力であるにもかかわらず、他の部員よりも過酷な練習を課した事が事故に繋がったのです。
上記の水筒の件、この時に練習をやめさせ、病院で適切な処置をしていれば命は助かったという事は主治医の先生が明言している事実です。

こらの事を考えれば、一宮元講師には、事故の予見は(十分すぎるほどに)可能であり、結果を回避する事も(十分すぎるほどに)可能であったとい言えます。



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【2011/04/09 11:43】 | 刑事告訴
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2010年2月25日
夕方に妹がW弁護士と最寄り駅で待ち合わせをし、東近江署へと向かった。
W弁護士渾身の告訴状を提出し、警察には受理していただいた。

訴訟対象は、
1.元秦荘中学校柔道部顧問の一宮氏
2.秦荘中学校校長の北村氏

一宮氏は、傷害致死罪で。
北村氏は、業務上過失致死罪で。 

家族の調査で、様々な専門家の意見、医学的な見解を得、それらを踏まえて弁護士の方とよく相談をして決定をした。

康嗣の死は、未然に防げたこと。
妹が再三申し入れをしていたにも関わらず、一宮氏はそれを無視し、入部して間もない康嗣に無謀な練習を課した事。
さもそも、初心者の康嗣にとっては、練習というべき内容ではなく、練習の体裁をとった単なる暴力にすぎないこと。
さらに、初心者への受け身指導が適切になされていなかったこと。
この柔道部では、以前にも骨折事故があり、一宮氏はその時も適切な処理をおこなわず、事故にあった生徒を長時間にわたり柔道場に放置し、翌朝になって家族が病院に連れて行った事があり、安全に対する認識が根本的に欠落していた事。
そして、そのような事故が過去にありながら、学校長である北村氏はしかるべき監督・指導を怠った事。

いずれ詳述はするが、これらが主たる告訴理由になる。


 

【2010/02/26 16:52】 | 刑事告訴
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No title
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まだ、校長と元顧問は逮捕されないのですか

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