2009年7月29日滋賀県秦荘中学校の柔道部で顧問に投げられた直後に意識不明になり、約1ヶ月後に急性硬膜下血腫で死亡した村川康嗣(当時12歳)の柔道事故の真実を明らかにし、それを多くの方に知ってもらうためのブログです。
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2010年6月27日に静岡県函南町立函南中学校の柔道部で発生した死亡事故で、安全管理が不徹底だったとして、三島署は2012年1月11日、顧問の男性教諭を業務上過失致死の疑いで静岡地検沼津支部に書類送検しました。

死亡した男子生徒は、同年5月に柔道の練習中に頭部を損傷し軽い硬膜下血腫と診断されていました。
その後、医師から激しい練習を避けるのを条件に練習参加を許可されていた中で発生したものです。

事故当日は、5月の頭部損傷後、初めての投げ込み練習に参加しましたが、練習中に大外刈りを受けて後頭部を打ち脳挫傷を発症。救急搬送されましたが、同年7月6日にお亡くなりになられました。

三島署は、受け身の練習が不十分だったにもかかわらず、事故を防止すべき義務を怠って部活動で投げ込み練習に参加させ、脳挫傷で死亡させた疑いとしています。

秦荘中での事故から約1年後に発生した柔道部での死亡事故になります。

事故当初の報道では、受身の練習中に事故が発生したと報じられましたが、実際は投げ込み練習中での事故であったようです。
5月に一度、頭部に硬膜下血腫を発生している事を考えれば、頭部に加速力が加わりやすい大外刈りの投げ込みなどは、本来されるべき練習ではありません。
いたずらに加害者を作りたい訳ではありませんが、過去においてもこのような指導者のあまりにも杜撰な安全意識のもとに、多くの重大な事故が発生した事を考えれば、明確な刑事責任の認定が必要であると思います。
指導者の責任を明確に問う事も、事故防止につながるものと思います。

以下、報道記事へのリンクをご紹介します。
(以下のリンクは2012年1月12日現在のものです)

日本テレビ(動画配信)

読売新聞

毎日新聞

共同通信

静岡新聞

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【2012/01/12 10:21】 | 柔道事故
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昨年の全国柔道事故被害者の会の立ち上げ、それに続くシンポジウム以降、柔道事故に関する報道が多くなってきています。
来年度からの武道必修化との関係もあり、様々なメディアで大きく取り扱われるようになりました。

柔道事故が大きく取り扱われる事は、多くの方に事故の実態を知っていただき、柔道の安全対策の実現に繋がる事になると思っていますが、その一方で最近心配をしている事があります。

それは、柔道事故が大きく扱われるが故に、事故や不祥事が起こってもそれを表に出さないケースが出てきているのではないかという危惧です。

その中には、もちろんご遺族やご家族のご意志によって公表をされていないものも当然あると思います。

が、武道必修化を前に、それに水を差すような事故や不祥事を公にしたくない。
事故や不祥事などで、柔道にマイナスのイメージをつけたくない。
これだけ柔道事故が騒がれている中で事故や不祥事が起きた事を公にすると管理者の安全管理、責任能力が問われる。
等の理由によって、事故や不祥事が表に出なくなっている事があるのではないかというのは、単に私の取り越し苦労ではないように思います。

今年、メディアに報道された柔道活動中による死亡事故は、長崎県の高校の柔道部で発生した熱中症による死亡事故だけですが、この他にも複数件の死亡事故が確実に発生しています。

これらの中には、ご遺族のご意志によって、現時点では公にされていないものもあります。
が、全柔連には報告されているものの、詳細な情報が一般には一切公開されていないものもあります。

また、命は取り留めたものの、重大な後遺症の残る事故の情報も、既に数件寄せられています。
こちらも現時点でメディアの報道には載っておりません。


更に、不祥事については、事故以上に多くが公表されないままになっているように感じます。
単なる根拠の無い噂であれば良いのですが、そうとは言い切れないのものがあります。

特に名門と呼ばれる学校の柔道部の不祥事については、未確認の情報としては今年になってからも既に複数件が情報として寄せられていますが、それらが刑事事件として送検されたり、あるいは学校側が情報をオープンにして謝罪や父兄に説明をしたという話は聞こえてきません。
今年の3月に発生した福岡県の南筑高校においてリンチまがいの暴行事件があった事が報道されたのは、却って珍しいケースとさえ言えます。

強いが故に、あるいは有名であるが故に、許される不祥事などがあってよいはずがありません。

事故も不祥事も、多くは「教育的配慮」という言葉の元に情報が開示されない事が多いのでしょうが、「教育的配慮」という言葉があまりにも管理者側の都合の良い説明に使われているのではないかと思っています。

情報は開示されることによって共有されます。
情報を開示することで、原因を究明に繋がります。
このブログでも再三申し上げていますが、その事が柔道の安全対策に繋がると思っています。

柔道に限らず、事故や不祥事の情報が、隠蔽されるかのように開示されないのは健全な社会ではないと思います。

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【2011/10/18 11:46】 | 柔道事故
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柔道の練習中の熱中症による死亡事故が発生していました。
2011年7月31日、長崎県平戸市の県立猶興館高校の柔道部に所属する男子生徒(1年:16歳)が他校(佐世保市の県立鹿町工高)で行われていた合同練習中に熱中症で倒れ、2日後の8月2日に死亡されていたことが解りました。

以下、メディアの記事へのリンクをご紹介いたします。

■産經新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110804/dst11080418010020-n1.htm

■読売新聞
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110804-OYS1T00682.htm

■朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0804/SEB201108040028.html

■長崎新聞
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20110804/02.shtml

お亡くなりになられた生徒さんのご冥福をお祈りいたします。

記事によると合同練習が行われていた佐世保市の当日の最高気温は32.1度だったそうです。
柔道場の窓は開けてあり、大型の扇風機2台を回していたほか、乱取りの際は20~30分に1度、10分間程度の休憩を挟み、水や塩分を補給させていたという事が記事に記載されています。
当日の柔道場の熱中症指数等の環境やお亡くなりになられた生徒さんの当日の体調がどうであったのかなど、より詳細な事故究明がされる事を望みます。
また、柔道場に限らず、すべての運動環境で熱中症計が完備される必要を強く感じます。


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【2011/08/05 11:44】 | 柔道事故
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朝日新聞で、福岡県の高校でこのような事件が起こっていた事が報道されました。
以下、朝日新聞の記事より転載いたします。

後輩柔道部員の首絞め失神 携帯で動画撮影
 福岡県久留米市の市立南筑(なんちく)高校(重富義光校長)の柔道部で今年3月、当時2年生の男子部員2人が1年生の男子部員の首をタオルで絞めて気絶させ、別の部員がその様子を携帯電話で撮影していたことがわかった。
 重富校長によると、3月24日、練習後の部室で2年生部員が1年生男子部員をいすに座らせ、後方からタオルで首を絞め、別の2年生部員が「落とせ」「やれ」などと言った。2人は、失神して倒れた部員の腹を踏んだり、背中にひざげりをしたりして意識を戻させたという。
 部員の意識が戻ると、2人は40キロのバーベルを1分半で25~30回ほど上げるトレーニングを数セットさせた。バーベルを持ち上げられなくなると、2年生部員がストップウオッチで頭を殴り、再びタオルで首を絞めて気絶させた。この様子を別の1年生の部員が携帯電話で動画で撮影していた。
 また、この前日の23日にも、2年生部員が男子部員の首をタオルで絞めて意識を失わせていたという。
 学校側は、柔道部を1週間の活動停止にし、1カ月間の対外試合禁止にした。また、2人を3週間の停学処分にした。柔道部顧問の体育教諭を5月1日付で顧問から退かせた。
 重富校長は「加害生徒の退学は教育的見地から解決にはならない。加害生徒、被害生徒の3人がもう一度、仲間として部で活動できるようにしたい。他の部員に対しては首絞めなどはしていない」と話した。
 一方、被害にあった部員の父親は「一歩間違えば命を失うところで、一般の人間がやれば殺人未遂になるような行為。到底許せるものではない」と語った。
 南筑高柔道部は全国制覇の経験もある伝統校。OBには元プロレスラーの坂口征二さんらがいる。
(転載元:http://www.asahi.com/national/update/0502/SEB201105020055.html


一歩間違えは死亡または脳に障害の残った可能性も否定できない事件です。
明らかに暴行事件であり、ご家族は刑事事件として告訴されてもよい内容だと思います。

そして、柔道の稽古と称してこのようなリンチまがいの暴行を加える事は、実は日本の各地で起こっているのではないかとも思っています。

武道必修化の目的の一つには、武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合ができるようにするという道徳的な目的が揚げらています。
本来的にはそうあるべきだと私も思っています。

しかし、武道を習う事によって、はたして相手を敬う精神は身に付くのでしょうか?
それをどのようにして教えて行くのでしょうか?
私はこのようような事件の報道に触れるたびに疑問を感じます。

柔道の祖、嘉納治五郎は「自他共栄」「精力善用」を説きました。
柔道とは単に強さを競い合うだけのものではないはずです。嘉納治五郎の崇高な志はどこにいったのでしょうか。



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【2011/05/03 16:26】 | 柔道事故
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昨年の11月に発生した大阪市此花区の柔道教室で小学校一年の男児が柔道の練習中に死亡した事件で大阪府警は9日、整骨院の元院長ら2人を業務上過失致死の疑いで書類送検したと発表しました。

事故発生からわずか3ヶ月での書類送検は、柔道事故としては異例とも言えるスピードです。
また、朝日新聞によれば、この事件では大阪府警が検察に起訴を求める「厳重処分」の意見をつけて送検をしたという事です。
昨日も記載した柔道事故への関心の高まりは、今までおざなりにされていた指導者の責任を追求するという環境も整へつつあるように感じます。
子供の命を無謀な指導で奪った指導者の罪は、司法の場に置いて正しく裁かれるべきだと思います。

以下、複数の新聞記事より引用いたします。

■朝日新聞
柔道指導者ら2人書類送検 通い始めて3カ月の小1死亡
大阪市此花区の整骨院内の柔道教室で昨年11月、同市立伝法(でんぽう)小学校1年の宮本真那斗(まなと)君(当時6)が練習中に意識不明になり死亡する事故があり、大阪府警は9日、整骨院の元院長ら2人を業務上過失致死の疑いで書類送検し、発表した。
 書類送検されたのは、阪本剛元院長(35)=同区伝法6丁目=と、山崎裕幸経営者(37)=同区酉島3丁目。
 捜査1課によると、阪本元院長らは昨年11月10日夕、約20分間にわたって初心者の宮本君に立ち技をかけ続け、1週間後、頭を強く揺さぶられたことなどによる脳腫脹(しゅちょう)で死亡させた疑いがある。同課は、宮本君が教室に通い始めて3カ月で受け身が十分にできないことを2人が知りながら、繰り返し技をかけた過失は重いとして、起訴を求める「厳重処分」の意見をつけた。
 同課によると、当時直接指導していた阪本元院長は「受け身の練習ばかりだと子どもが飽きて辞めてしまうと思った」と供述し、山崎経営者は「技をかけ続ける練習はまだ早いと思ったが、了承してしまった」としているという。
 柔道教室は整骨院の一部を使って昨年8月に開設されたばかりだった。教室のチラシには、阪本元院長を「柔道4段」「インターハイベスト8」と紹介していたが、実際には初段で大会の成績も偽りだったという。
 宮本君の母親は朝日新聞の取材に「息子は誕生日が先にきた友だちをみて、自分も早く7歳になりたいと話していた。今もランドセルや靴、おもちゃなどを片づけられず、心に大きな穴が開いている」と話した。
 伝法小学校の関係者は宮本君について「非常に明るく元気で、勉強も運動もできたクラスの中心人物だった。本当に残念だ」と話した。死亡した4日後には、「学習発表会」の劇で主役級の役が決まっていたという。



■産經新聞
柔道で小1男児死亡、業務上過失致死容疑で指導者らを書類送検 大阪府警
 大阪市此花区の整骨院で昨年11月、柔道の練習中に同区の小学1年の男児=当時(6)=が意識を失い死亡した事故で、大阪府警捜査1課と此花署は9日、業務上過失致死容疑で、整骨院を経営する柔道教室の管理者(37)と、元診療助手で柔道の指導者(35)=いずれも同市此花区=の男性2人を書類送検した。
 送検容疑は、昨年11月10日午後5時20分ごろ、同区の整骨院1階の簡易道場で、柔道経験約3カ月の男児に十分に受け身の指導をしないまま、繰り返し足払いなどの立ち技をかけて畳に投げ付け、同17日に左硬膜下血腫による脳腫脹(しゅちょう)で死亡させたとしている。
 捜査1課によると、2人は「受け身の練習ばかりだと飽きると思い、十分な指導をしなかった」などと容疑を認めているという。
 同課によると、男児を畳に投げ付けた際、指導者が柔道着を強く引いたため、脳に衝撃がかかり、脳内の静脈が切れたという。男児が受け身を取ることができれば、脳への衝撃は緩和できたとみられ、同課は受け身の指導不足が死亡につながったと判断した。
 同課によると、柔道教室の生徒募集のチラシには、実際は初段だった指導者を「4段」と紹介するなど、うその記載もあった。

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【2011/02/09 22:26】 | 柔道事故
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大阪のシンポジウムの閉会の挨拶で、ある柔道事故のお話をさせていただきました。
昨年の11月に静岡で行われた学災連のシンポジウムでお会いすることができたご家族の話です。

今から40年近く前にある柔道事故が起こりました。

当時高校一年生であった男子生徒が、課外活動の柔道で教官に連続技の指導で投げられた後、意識不明となり、急性硬膜下血腫で遷延性意識障害(植物状態)になったのです。

「投げはこうやるんだ」と教官に、内股から大内刈に行く連続変化技の指導を受けていた生徒は、内股と大内刈で教官に2回投げられた後、他の生徒と組んだ途端に「頭が…」と言って崩れ落ちたのだそうです。
運ばれた病院で手術をうけ、一命は取り留めましたが遷延性意識障害になられました。

当時、教官は病院の医師に「慢性の病気か」と質問をしたのだそうです。医師は、「3~5分くらいの急激な衝撃による損傷である」と答えたといいます。また、術中所見では、橋静脈破裂による急性硬膜下血腫が認められ、橋静脈の近傍には非常に小さい脳挫傷が存在していた事がわかっています。

学校は、「教官が投げた後、次の生徒と組んだときに倒れたのだから、加害者は教官ではない」として責任を認めませんでした。そして、級友、すべての目撃者の態度が変わり、見舞いにも来なくなったのだそうです。

ご家族は、真実を究明するために民事提訴をおこされました。

裁判で教官は、「内股は引き技だから頭部を打つことはない。大内刈で男子生徒を崩したが投げてはいない」と投げた事自体を撤回し、自分の責任を否定しました。
医師は「外見上頭部に外傷の所見はなかった」とし、級友は「見ていなかった」と証言をしました。
現場検証が行われましたが、事故当時の目撃者を1人も立ち会わせず、教官が自分の主張通りの実技をやってみせただけだったそうです。

医師の証言で、硬膜下血腫が外傷性であることは明らかになりました。
教官の次に組んだ級友は、「ふらふらとはじめから様子が変だった。頭が・・・と言って倒れた」と証言しましたが、教官の言動に対しては、「見てない」「記憶していない」として、一切答えませんでした。

第一審の地裁判決では、教官の投げによって頭部外傷を負ったという因果関係は認めたましたが、「学校の指導は適切」「自由練習の段階で技をかけたのを違法とは言えない」「過失はなかった」として原告が敗訴しました。

ご家族は控訴をされましたが、二審の高裁は控訴を棄却しました。

一審同様、過失認定は否定されました。
そのうえ、亡くなった生徒が畳に頭部を打ち付けたという目撃証言が得られない事、さらに以下の実験結果を採用し、一審で認められていた投げとの因果関係も否定したのです。

この裁判の過程において、被告である国は、「外傷性硬膜下血腫は直接頭を打たなくとも、まれに起こり得る」という、アメリカのサルを用いて回転イスを急速に回す実験の結果を提出し、裁判官はそれを採用しました。
サルを回転椅子に固定して、椅子を急速に回すと、その衝撃だけで外傷性硬膜下血腫が発症するという実験です。

高裁は、この実験結果から、「頭部に直接打撃以外の『衝動』によって、急性硬膜下血腫発症の医学的可能性があることが判明した」として、「頭部に加えられた外力であるとの推認をすべき限りではない」として、教官の投げ技との因果関係を否定したのです。

最高裁までというお気持ちはあったと伺いましたが、生徒のおかあさんが、もうやめましょう、と言われたのだそうです。
高裁での控訴棄却が確定しました。

男子生徒は、それから25年間、病院のベットでずっと意識が戻らないままでした。
25年間、ご家族の介護を受け続け、そして亡くなられました。

40年近く前に起こった事故の話です。

この話を聞いて私が衝撃を受けたのは、40年近く前にすでに加速損傷で硬膜下血腫が起こり得る事が明らかにされていた事です。
サルを回転椅子に座らせる実験、これで橋静脈が破断し発症する硬膜下血腫は、加速損傷によるものです。

40年前、すでに柔道事故の裁判において、直接頭部に打撃をうけなくとも、加速損傷によって硬膜下血腫が発症することは明らかにされていたのです。
この事をさらに検証していけば、直接頭を打たなくても、柔道技による投げのスピードで硬膜下血腫が発症することは明らかにできたと思います。
当時は、ただ、「直接頭を打つ事以外に事故の原因はない」と極めて短絡的に考えられていたのでしょう。残念です。

そしてこの時から40年、この国では何一つ柔道事故の実態は変わらなかったのです。

学校は責任を否定し続け、指導者は「頭は打っていない」と言い張り、事故に対する調査や検証が何もされないまま、ただ責任回避の議論だけがされてきたのです。
40年前に解っていた加速損傷も、その後なんの検証もされないまま、ずっと放置されてきたのです。
そして、毎年4人以上の子どもの死亡者を出し続け、毎年10人以上の障害者を出し続けたのです。
どこかで、だれかが、手を打っていれば、これほどの子どもがその後も犠牲になることはなかったのです。

これがこの国の柔道事故の実態です。


昨年の11月、この男子生徒のお父さんにお会いしました。
高齢で皆さんとお会いする機会もこれが最後でしょうとおっしゃっていました。

お父さんは、最後に、こう話されました。
「(裁判のために)田畑を売って、すべてを無くして、残ったのは物言わぬ息子だけでした」

私は、涙で語るその男子生徒のお父さんに、この時の裁判で国が出したサルの実験は、今は「加速損傷」として柔道事故で多発する脳損傷の原因の一つとして認知されている事を申し上げ、そして、後に続く私達への道筋をつけていただいたことに感謝しますと申し上げました。
それを申し上げるだけで精一杯でした。


「すべてを無くして、残ったのは物言わぬ息子だけでした」

40年前の柔道事故、その被害者の父親が発したその言葉を、私は一生忘れません。



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【2011/01/19 13:08】 | 柔道事故
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1月10日に和歌山で柔道事故が起こりました。

以下産經新聞より引用いたします。

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 10日午前10時15分ごろ、和歌山市中之島の柔道会館で、けいこ中だった県立和歌山商業高校1年の男子生徒(16)が、投げられてあおむけになった際に別の生徒の足が顔に当たるなどし、意識不明の重体となった。男子生徒は脳内出血で、緊急手術を受けて一命をとりとめたという。
 和歌山県柔道連盟などによると、男子生徒は連盟主催の寒げいこに午前6時半ごろから参加。8時過ぎからは市内の学校と合同練習をしていたが、けいこ中に投げられてあおむけになった際、別の投げられた生徒の足が顔を直撃した。
 男子生徒は立ち上がったが、洗面所に向かう途中で倒れて意識を失ったという。 
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http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/110110/crm1101101944007-n1.htm

記事では一命をとりとめたとありますが、現在も意識不明の状態だと聞いております。

当日は複数の高校が集まって練習をしていたのだそうです。
どれくらいの広さの道場で同時に何人の生徒が練習をしていたのかを解明する必要があり、当然ながら主催者及び指導者の安全配慮義務、危険回避義務が問われるところだと思います。



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【2011/01/13 10:58】 | 柔道事故
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今年の11月に大阪で小学校1年生の男児が柔道教室の練習が原因と思われる事故でなくなっていました。


以下朝日新聞の記事より転載いたします。
転載元はこちらです。
http://www.asahi.com/national/update/1227/OSK201012270074.html

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大阪市此花区の柔道教室で11月、同区内の市立小学校1年の男児(6)が練習中に意識を失って病院に運ばれ、1週間後に死亡していたことが、大阪府警への取材でわかった。司法解剖の結果、死因は頭を強く打ったことによる脳腫脹(しゅちょう)で、府警は業務上過失致死容疑で捜査している。

 府警によると、柔道の練習場は同区内の整骨院に併設されている。11月10日夕、男児は柔道教室の男性指導者(35)と練習をしていたところ、気分の不良を訴えた。しかし、練習は続き、しばらくして意識を失い、病院に運ばれたが、同17日に死亡した。当時、練習場には複数の児童や保護者がいたという。

 捜査関係者によると、指導者は府警の任意の調べに対し、「根性をつけるために練習を続けた」などと話しているという。

 府警は、男児が不調を訴えていたのに、指導者が練習を続けた点を重視。死亡と練習の因果関係や、指導者が男児の死亡を予見できたかなどを慎重に捜査するという。

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産経新聞にも掲載されていますので、リンクをご紹介します。
http://www.sankei-kansai.com/2010/12/27/20101227-047779.php

2紙の記事では、わずか6歳の子どもが吐き気がすると訴えていたにも関わらず、この指導者は「根性が育たない」という理由で練習を続けたという事です。
吐き気を訴えた時点で脳に損傷を負っていた可能性が極めて高いと思います。
その時点で練習を中止して即座に病院で適切な処置をしていれば、命は助かったのではないかと推測します。

全柔連がいくら指導者の安全講習を行おうと、いまだにこのような指導者がいるのです。
そして、このような指導者は全国にいます。
これがこの国の柔道の現状であり、非常に大きな問題点です。

また、11月の事故がいまになって表に出てきた事に、この国の柔道事故の暗部を感じざるを得ません。

事故が起こった大阪で、1月15日に全国柔道事故被害者のシンポジウムを開催します。
おそらく今回の事故の原因、そして多くの柔道事故の原因でもある加速による脳損傷の発生機序を含め、柔道事故撲滅のための講演を予定しています。
一人でも多くの指導者の方にお見えになっていただきたいと思います。

自分の指導方法に問題がないか、今一度よく見つめ直してください。



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【2010/12/27 09:29】 | 柔道事故
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2010年7月24日に千葉の私立高校の柔道部で熱中症による死亡事故が発生していました。
事故があった地域の当日の最高温度は35.7度、湿度は61%となっています。

柔道場の環境が解りませんが、上記の条件通りであるなら、本来なら運動が原則禁止される状況下での事故となります。

熱中症は、管理監督者が部員の健康状態への配慮を怠らなければ100%防げる事故だと私は思っています。
適切な救護処置が行われたのかも含めて、管理監督者の責任が問われるべきだと思います。


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【2010/08/27 17:53】 | 柔道事故
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先日の岐阜県の小学1年生の死亡事故の記事を記載してまだ間もないというのに、また柔道による事故で若い命が失われました。今度は、静岡県です。
中学一年生の男子生徒で、4月に柔道を始めたばかりの初心者だったという事です。

以下、新聞各紙の報道より引用いたします。

■産経新聞
2010年7月7日01時08分配信
中学生柔道部員、受け身練習中に倒れて死亡
 静岡県函南町の町立函南中学校の男子柔道部で、1年の小川礼於さん(12)=同町間宮=が受け身の練習中に倒れ、病院へ搬送された後、脳内出血で6日、死亡したと県警三島署が発表した。同署で詳しい死因を調べるとともに、関係者から事情を聴いている。
 署によると、小川さんは6月27日午前7時半ごろ、体育館内の畳敷きの武道場で練習を開始。ランニングと立ち技の練習後、約10分の休憩を挟み、顧問の男性教諭(41)の指導で1年生部員5人と受け身の練習を始めた。約1時間後、受け身を終え、次の組み合いの順番待ちをしている間に倒れたという。
 男性教諭が駆けつけた際には意識はなく、近くにいた別の教師が119番通報した。入院先の病院で6日午後8時半ごろ死亡した。
 函南町教育委員会によると、小川さんは4月に同中学に入学後に柔道部に入部、柔道は初心者だった。
 病院からは小川さんに頭を打ったような痕跡はなく、外傷もないと連絡を受けているという。

■朝日新聞
2010年7月7日01時45分配信
柔道練習中に意識失い、中学1年の男子死亡
 静岡県函南町仁田の町立函南中学校(勝呂信正校長)で6月下旬、同校1年生で柔道部員の小川礼於(れお)君(12)=同町間宮=が練習中に倒れ、脳内出血で病院に運ばれたが、6日午後8時25分、死亡した。県警三島署が発表した。詳しい死因を調べている。
 同町教育委員会と三島署によると、小川君は6月27日午前7時半ごろから、同中学校の体育館の武道場で、部員15人ほどで練習をしていた。午前8時半ごろ、1年生6人が、1人を投げ役にして受け身の練習をしていた。小川君は、何度か投げられたあと、順番を待っていた時に意識を失って倒れたという。練習には、顧問の教師(44)が立ち会っていた。

産經新聞の報道では、受身の練習中とありますが、朝日新聞ではその受身の練習のニュアンスが違います。
通常受身の練習というと、1人で練習するイメージがありますが、朝日新聞の報道によれば、投げる役目の生徒がいて、投げられて受身を取るという練習だったようです。

まず、このような練習自体を初心者にやらせていた事自体が、完全に安全配慮義務に違反すると考えます。

また、産經新聞の最後の行に注目してください。
ここでも、教育委員会は「病院からは小川さんに頭を打ったような痕跡はなく、外傷もないと連絡を受けている」とコメントをしたと報道されています。

頭に外傷がなくとも、頭蓋骨内の橋静脈は破断するのは、このブログで何度も記載してきた通りです。

私は、悲しみと同時に、今猛烈に腹が立っています。
この国の柔道が、何年も何年も何年も何年も、ずっと真摯に事故の原因究明せず放置していたことが、すべての原因です。
柔道界が、事故と真剣に向かい合い、その原因究明を科学的に行い、事故防止を真剣に考えるべきなのです。これは、柔道界全体の問題として捉えるべきなのです。

欧米では起こっていない死亡事故が、今年だけでもう3件も発生したのです。
この事を、本当に真剣に考えなければいけません。


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【2010/07/07 08:51】 | 柔道事故
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関係者に猛省を求めます!
heppoko runner
 Uncle Mustacheさんのご指摘のとおりだと思います。
 これほど事故・事件が頻発しているのに、関係者のあいだに危機感が感じられない、ということに強い憤りをおぼえます。
 そして文科省、静岡県、函南町、岐阜県、神戸町、全柔連のホームページを閲覧しましたが、事故・事件に関するコメントは一切発見できませんでした。
 ほんとに、子どもの命をなんだと思ってるんでしょうか?
 何人殺したら、気が済むんでしょうか?

No title
-
5月8日に急性硬膜下血腫で1週間ほど入院してから6月下旬の事故
(セカンドインパクト)と思われます。アメフトのガイドラインならグレード3
当該シーズンのプレー禁止もしくは競技そのものの中断ですね。
そういった知識さえあれば死ななくて済んだと思います。
医者にも復帰を許可されていたようですが・・・。
悲しいことです。


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