2009年7月29日滋賀県秦荘中学校の柔道部で顧問に投げられた直後に意識不明になり、約1ヶ月後に急性硬膜下血腫で死亡した村川康嗣(当時12歳)の柔道事故の真実を明らかにし、それを多くの方に知ってもらうためのブログです。
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昨日(10月28日)、愛荘町役場に赴き、遺族より直接、要望書を提出いたしました。
村西町長がご出張中ということで、ご対応いただいたのは宇野一雄副町長と総務課の細江氏の2名でした。

要望書の他に暴行を受けていたと証言された生徒の方の陳述書(すでに愛荘町には8月に送付済みのものです)を、再度添付いたしました。

要望書の内容は以下の通りです。

愛荘町長 村西俊雄殿

2010年10月28日


「町中学校柔道部事故最終報告」に関する要望書


 2010年10月5日に愛荘町長村西俊雄氏が秦荘中学校柔道部事故について町中学校柔道部事故検証・安全対策委員会による事故報告書の最終報告をされた内容につき、遺族は愛荘町側の報告内容に強く反発いたします。

1. 責任の所在について
 10月5日の会見での最終報告において町中学校柔道部事故検証・安全対策委員会は、責任の所在については明確に断定できないとされました。
 しかし、7月14日に町中学校柔道部事故検証・安全対策委員会が提出した報告書では一宮元顧問の指導が村川康嗣にとって過度で限界を超えた内容であったことが指摘されています。
 そのような不適切な指導をしていた指導者を雇用した愛荘町、さらには、そのような不適切な指導を放置していた秦荘中学校、ならびに愛荘町教育委員会については、当然ながら雇用者責任、管理者責任が問われてしかるべきであると考えます。
 また、2010年7月14日の記者会見、更には2010年10月5日の記者会見の席上において、愛荘町長である村西俊雄氏自らが、愛荘町、愛荘町教育委員会、秦荘中学校、秦荘中学校の教職員のすべてに事故の責任があると発言をされています。

 村西愛荘町長の発言した責任とはいかなる責任でしょうか?
 町長自らが発言をされた責任の所在について、その内容を明らかにしていただきたいと思います。
 この度の最終報告書においては、事故の直接的な発生原因にのみ言及され、背景にある愛荘町や秦荘中学校の人事管理等における安全管理体制の欠如について明記されなかった事において、本件事故に対する検証の不徹底を指摘するとともに、遺族は強い遺憾の意を表するものです。

 また、最終報告書に記載されなかったにも関わらず、2010年10月5日の記者会見上で村西愛荘町長が「町に責任がある」と発言をされ、遺族に対して「賠償を行う」と発言をされたと聞いています。
しかしながら、今日まで町から遺族に対し、一切の話し合いの場も持たず、更には遺族の要望を悉く無視しておきながら、遺族に何の連絡もなく一方的に賠償問題に触れられた発言は、遺族を愚弄するものとして、厳重に抗議をいたします。

 口頭で責任を認められるのではなく、明文化した書面で責任を認められる事を要求します。


2. 暴力行為の調査結果について
 最終報告において、愛荘町は体罰が無かったとする報告を行いましたが、遺族が2010年7月14日の記者会見の席上で求めたのは、「体罰」の調査ではなく、平手打ちなどの「暴力行為」が日常的にあったかどうかの調査です。
 遺族は、「体罰」という言葉と「暴力行為」という言葉を明確に使い分けて説明をしています。
 また、愛荘町教育委員長の藤野智誠氏は、2010年7月14日の記者会見という公の場において、
1.暴力行為の調査をする。
2.平手打ちが行われていればそれは暴力行為であると認める。
3.一人でも平手打ちをされていた生徒がいれば暴力行為があったと認める。
と発言をされています。
 遺族が求めたものは、そして藤野智誠教育長が調査を約束されたものは、定義論にすり替えられる体罰の調査ではなく、平手打ちなどの明確な暴力行為そのものの調査です。
 しかしながら、先日の最終報告書において発表されたものは、暴力行為ではなく、体罰についての調査内容でした。体罰はその定義によって、暴力行為があったとしても、体罰ではないとする事ができます。
 これはそもそも、遺族の求めていた調査ではありません。

 また、村西町長は記者会見の席上で暴力行為についても触れ、「教育委員会から平手打ちがあったとは聞いていない」と発言され、暴力行為そのものの存在も否定されたと聞いています。
 もし、この事が事実であるなら、暴行の事実について、あまりにも杜撰な調査がされ、その杜撰な調査を盲目的に信用する村西愛荘町長の発言は、行政のトップたる者としてあまりにも無責任であると言わざるを得ません。

 暴力行為があった事は、愛荘町教育委員会がすでに認めています。
 8月11日に再開された町中学校柔道部事故検証・安全対策委員会において愛荘町教育委員会学校教育課長の堤清司氏は、「2名の生徒が叩かれたと言っていたが、叩かれた事を肯定的に捉え、1名の生徒が暴力行為があったと言っている」という内容の報告をされています。
 堤清司学校教育課長により、この発言があった事は2010年8月11日に、町中学校柔道部事故検証・安全対策委員会に出席をされた村田正夫委員長も報道陣の前で認めています。
 さらには、遺族は愛荘町長、愛荘町教育委員会、町中学校柔道部事故検証・安全対策委員会宛に、暴行を受けていたと証言された生徒の陳述書を作成し、提出をしています。

 これらの事実をすべて無視し、教育委員会からの報告のみを受けて、間違いなく存在した暴行の事実自体を否定しようとされるなら、それは愛荘町がある明確な意思にもとづき、暴行の事実を隠蔽しようとされているものだと認識いたします。

 そして、一人の少年の死亡という重大事故に真摯に向き合わないばかりか、事実を隠蔽する不誠実な愛荘町の対応には、遺族は強い嫌悪感と憤りを感じます。

 2010年8月11日の時点で、すでに教育委員会は少なくとも3人の生徒が一宮元顧問により平手打ちをされていた事実を掌握しています。
 教育委員会が平手打ちがあった事実を掌握している以上、平手打ちなどの暴力行為があった事を愛荘町は認めるべきです。

 また、7月14日の記者会見において藤野教育長は、暴力行為の調査を全校生徒に行うと約束をされました。
 しかしながら、実際の調査の対象者が柔道部の生徒の13名に限られ、しかもその中で調査に応じた生徒が3名でしかないことが解っています。残りの10名については保護者の方に調査をされたと聞いています。こうした調査で果たして真実が解明されるでしょうか。事故の再発防止は徹底した調査と検討によって初めて実現することを忘れていると言わざるをえません。

 公の場で約束された全校生徒への調査が、わずか3名の生徒にしか調査をされていないことを、愛荘町はどのように弁明されるのでしょうか?
 公の場における約束を行政が反故にし、その理由さえ明確にされない事は、極めて重大であると考えます。

 さらに、先の教育委員会による町中学校柔道部事故検証・安全対策委員会への報告によれば、この実際に調査に答えた3名の生徒が全員、平手打ちをされていた事を認めている事になります。
 実際に調査が行われた生徒が3名しかおらず、その3名の生徒全員が一宮元顧問による暴行を認めている以上、遺族は、愛荘町が秦荘中学校において一宮元顧問による暴力行為が日常的・継続的に行われていた事を認めることを強く要望します。

 日常的な暴力行為は、指導される生徒に暴力への恐怖心を埋め込み、限界を超えた肉体状態であっても、あるいは意識が朦朧とするなどの異変を感じていても、生徒が、弱音を吐くことも、練習の中止を申し入れることもできないという、いわば悪しき精神主義又は恐怖による過酷な練習の強制という結果に至ると考えます。暴力的指導は、柔道における重大事故発生の背景としてきわめて重要な問題です。
 当然に暴力的な指導者は、自ずと安全への配慮を欠く事になります。
 この事に言及をし、改善をしなければ、真の安全対策など作れるはずはありません。
 一宮元顧問による部員・生徒への暴行の事実を認め、そのような暴力的指導が中学校の部活動で行われていた事は不適切であることを明確にし、その上で、安全対策を講じるべきであると考えます。



 今回の愛荘町の最終報告と村西町長による会見内容を受け、遺族は愛荘町、教育委員会及び秦荘中学校が、真実を究明するどころか、むしろ真実を歪曲し、隠蔽しようとする意思があるのではないかと、懐疑的な思いを強くしています。

 遺族の要望を無視し、責任の所在についても矛盾する会見を行い、また暴力行為については真実とは異なる最終報告を提出しているにもかかわらず、一方的に賠償問題に言及し、1人の少年の死を金銭で片付けようとする愛荘町の対応には何一つ誠実さを感じる事ができません。
 遺族は、無いことを認めるべきだと主張しているわけではありません。
認めるべき事実を認めるべきであるという、当たり前の主張をしているに過ぎません。

 町と学校の責任の所在を明確に書面にし、また暴力行為についての事実を認めない限り、遺族は愛荘町と今後継続した話し合いを持つ事はいたしません。また、遺族はこれらの事を愛荘町が認めなければ、法廷の場においてでも「町、学校等の責任の所在」、「一宮元顧問による暴行等の不適切な指導の有無」を追求し、真実を明らかにする所存です。
 これが無惨に命を奪われた村川康嗣の遺志に沿うものと考えます。

 以上の観点より、以下を要望します。


1. 今回の事故について村西俊雄愛荘町長が記者会見で述べられた責任の所在についてその内容を明確にし、明文化したものを遺族に提出する事。
2. 愛荘町教育委員会の調査に基づき、平手打ちなどの暴力行為が一宮元顧問により日常的に行われていた事実を認め、それを明文化し遺族に提出する事。
3. 上記はあくまでも平手打ち等の暴力行為そのものについてであり、それを、体罰に置き換えない事。
4. 中学校の教育の一環として行われる部活動において、平手打ちなどの暴行、暴力的な指導が不適切である事を認め、排除することを今後の安全対策に盛り込む事。
5. 2010年7月14日に藤野愛荘町教育長が公の場において約束された、全校生徒への調査が行われなかった事について、その理由を明確にし、説明すること。同時に、公の場で約束をされた事を一方的に反故にされた事について愛荘町の見解を求める。
                                                             以上

一週間以内に文書による回答をいただけますようお願いいたします。



提出後の取材で、要望が受け入れられなかったらどうされますか、という質問が報道陣からありました。
基本的に、受け入れられないことは想定をしておりません。
私達の要望は、受け入れられないような高いハードルを設定したものではありません。

村西町長が口頭にて再三認められている責任について、それを明文化する事。
教育委員会が既に調査をし、その存在を確認した暴行の事実を認める事。
どちらも、あった事をそのまま認め、明文化するだけの事でしかありません。

今度こそ、愛荘町が誠意ある回答をされる事を望みます。





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【2010/10/29 18:50】 | 愛荘町への申し入れ
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No title
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はじめまして。
私の長男は学校で転び頸髄損傷になってしまいましたが、先生方にふざけていると思われて2時間以上も保健室の床に寝かされていました。
養護の話では「教頭に何度も救急要請を頼んだのにしてもらえなかった」、また報告書にそのことを載せなかったのは「教頭が不利になったしまうから」との説明を受けました。が教育委員会は調査もせずに、ただ文句を言うモンスターペアレントにされて学校側に弁護士が入り私たちは何度も質問しましたが弁護士からは「回答の予定がないと」返事が来るだけでした。
私達も弁護士さんに相談しましたが因果関係の証明ができなければ勝ち目は無いと説明を受けて提訴はあきらめました(お金が目当てでは無いし事実を調査し説明と謝罪が受けてたいだけだから)このブログを拝見して私達も要望書の提出を考えてみようと思います。
これからの活動を応援させてもらいます。 

Re: No title
Uncle Mustache
こめんと拝見いたしました。
非常に重大な問題だと感じると同時に、この国の教育の現場では同じように保身のための隠蔽が行われていることを改めて感じました。
事実とおりであるなら、私は戦われた方が良いと思います。
弁護士の方に相談をされたという事ですが、できれば複数の方に相談をされた方が良いと思います。弁護士もオールマイティーではありません。得意、不得意があり、自分の経験のみでしか判断できない方もいます。
特に学校での事故、災害の場合は、それなりの経験のある弁護士でないと難しいと思います。
相談された弁護士さんは「因果関係が証明できなければ」と話されたという事ですが、事故との因果関係よりも、むしろ事故後に擁護教員の養成を無視し、長時間放置していたことの方に問題の本質があるように思います。



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先日の記者会見で遺族が申し上げた愛荘町への要望書を、10月28日に提出いたします。
当日は、愛荘町役場に遺族より直接持参をすることにいたしました。
おそらく、これが遺族より愛荘町に行う最後の働きかけになるかと思います。

要望書の内容については、10月28日以降にアップいたします。



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【2010/10/26 09:59】 | 愛荘町への申し入れ
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