2009年7月29日滋賀県秦荘中学校の柔道部で顧問に投げられた直後に意識不明になり、約1ヶ月後に急性硬膜下血腫で死亡した村川康嗣(当時12歳)の柔道事故の真実を明らかにし、それを多くの方に知ってもらうためのブログです。
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昨日の信濃毎日新聞に以下の記事が掲載されました。

全柔連が、安全指導の手引きを改訂し、その中に加速損傷の内容を盛り込むこと、また安全指導講習会への参加を指導者に義務付けるというものです。


柔道指導者 講習義務化へ 全柔連が安全指導へ冊子改定

 全日本柔道連盟(全柔連、東京)は、柔道による子どもの重大事故が相次いでいることから、安全指導用の小冊子を本年度内に改定する。全柔連が講師を派遣、小冊子を教材に開いている安全指導講習会への参加も指導者に義務付ける方針だ。

 学校での事故に詳しい愛知教育大の内田良講師によると、1983(昭和58)年4月から今年6月1日までに中学、高校の柔道部の活動や柔道の授業で110人が死亡している。死因の最多は急性硬膜下血腫で46人。脳と硬膜内の静脈とを結ぶ橋静脈が、急激な外力で引っ張られて切れたとみられる。

(中略)

 相次ぐ事故を重く見た全柔連は6月下旬、柔道家や医師、弁護士ら約20人でつくる「安全指導プロジェクト特別委員会」を設置。事故を防ぐ指導法を研究し、小冊子「柔道の安全指導」を改定、安全な指導法を紹介するDVDも作ることにした。

 特別委員会の委員で、事故の事例分析をした徳島大学病院の永広信治・脳神経外科長(58)は「中学1年、高校1年の初心者に事故が多い。受け身を十分に習得させ、初心者と熟練者を分けた練習計画を作る必要がある」と指摘する。改定する小冊子には、習熟度に応じた段階的指導や、頭を直接床などにぶつけなくても急性硬膜下血腫が起こることなどを盛り込む見通し。

 文部科学省は7月、日本中学校体育連盟(中体連)や国公私立の高校、大学などに対し、全柔連の小冊子を参考に安全指導を徹底するよう求める通知を出している。

信濃毎日新聞 2010年9月21日


この国の柔道が、事故の実態を調査せず、事故を放置してきた事を考えれば、この記事の内容には隔世の感があります。
手前味噌ではありますが、今回の決定については全国柔道事故被害者の会の活動が背景にあることは間違いありません。

それまで全柔連が認識さえしていなかった柔道における加速損傷の危険性について言及し、欧米の事故事例を調査し、さらに指導者への安全指導の義務化を唱えてきたのは、私達被害者の会です。

この動きが単なるポーズではなく、本当の安全指導へと繋がる事を願ってやみません。
指導者に講習会の参加を義務化するというのであれば、それに違反した場合の罰則規定がどうなるのかも明確にされるべきだろうと思います。
さらに、講習会における講習内容についても、今までのように柔道経験者が滔々と精神論を語り、先日記載したように、セカンドインパクトシンドロームの内容や機序に触れもせず名前だけを覚えて帰ってくださいという、レベルの低いものではいけません。

全柔連が本当に柔道事故を減らすつもりなら今までの安全講習会のやり方ではなく、私達のシンポジウムで講演をされた愛知教育大学の内田先生や足柄上病院脳外科の野地先生という専門家の方に、日本における柔道の死亡率の高さや柔道で発生する加速損傷の機序について語っていただき、基本的な部分から安全について講習をする必要があると思います。

また、指導者への講習会の義務化という事についてさらに言及するなら2012年度から行われる武道の必修化で、柔道を指導する教師にたいして、どのような安全講習をするのかも大きな課題となるでしょう。
柔道経験のない人間が柔道を教えるということになれば、柔道経験者以上の安全講習が必要になるのは誰が考えても明らかです。

大きな動きが出てきた事は、大変歓迎いたしますが、この動きが本当の安全に繋がるためには解決しなければいけない問題も、また山積しています。

また、このような動きが、誤った指導をした指導者が負うべき責任についても明確にされることに繋がって行くのだと思います。

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【2010/09/22 10:59】 | 柔道の安全について
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日曜日に松本のシンポジウムを行いました。
詳細は、改めて記載いたしますが、地方開催にも関わらず東京や関西のテレビ局を初め、多数のメディアの方にお見えいただき、驚きました。

そして複数のテレビ局の方とお話をする中で最近愛荘町が取材を拒否しているという話を聞きました。

あるテレビ局は、秦荘中学校の外観の撮影さえ拒否されたという事でした。

本日、愛荘町に電話をする機会がありましたので、この件についても問い合わせをいたしました。
(尚、本日より公務員の方についてはすべて実名にて記載をいたします。過去記事についても、実名記載に切り替えます)


まず、愛荘町総務課の細江氏に電話をいれました。
第三者委員会の報告書の進展状況と遺族より送っている要望書の回答がどうなっているかを含め確認をするためです。
報告書については、現在第三者委員会の村田委員長の預かりとなっており、村田委員長の方で原案を作成されているという事でした。
その原案ができ次第、他の第三者委員会のメンバーに村田委員長よりコンタクトをとり内容を調整するという事だそうです。
以前のように委員が一同に会してミーティングを行うというやりかたはとらないという事でした。
要望書への回答は、この第三者委員会とも関係しているので、もう少し時間がかかるという事でした。

この後に、テレビ局の取材を拒否されている件についてお伺いいたしました。
細江氏は、そのような話は今初めて聞いた、総務課については、メディアから取材が入れば対応をしているということでした。
私の質問に、逆に驚いてらっしゃるようでした。

その後細江氏と話をして解ったのですが、この取材拒否は、教育委員会による独自判断によるものでした。
そして、その事を、教育委員会は、総務課や町長には報告をしていなかったという事です。

教育委員会にも電話をいたしました。
対応いただいたのは、以前より不誠実な対応をされていると感じている、教育課長の堤清司氏です。
まず、教育委員長が約束された全校生徒への暴力行為の調査がどうなっているかを訊ねますと、その件は第三者委員会に報告をしているので、そちらから聞いてくださいという、相変わらずの木で鼻をくくったような対応でした。
その後に、メディアの取材を拒否されているのは教育委員会としての判断かを訊ねますと、現在、教育委員会としてはメディアからの取材については基本的にすべてお断りをしている、という事でした。
理由は、私達が刑事告訴をしているからだそうです。
よく意味が分かりません。

刑事告訴は、北村学校長と一宮元顧問の個人に対して行っているもので、行政訴訟ではありません。
それでも、教育委員会の管轄であるので、取材には答えないのだそうです。

いずれにせよ、教育委員会の判断として、取材については、現在拒否をしているという事を明言されました。
取材を拒否したことを、町長に報告をしているのかと訊ねると、町長には報告をしていないという事でした。

よく使われる表現をすれば、横の連携がまったくとれていない、という事になります。

教育委員会が独自に判断をし、その判断を行政の長である町長に報告すらしないという事です。

報告書の提出された記者会見でも、教育委員会が町の意思とは別に、教育委員会としての意思をもっている事は解っていましたが、ここまで何の連携もないことには驚かされました。

村西愛荘町長、ならびに愛荘町の関係者に申し上げます。
この教育委員会の対応によって、現在、メディアの関係者からは、愛荘町が町としてこの事件の真実を隠蔽している、あるい対応を放棄している、というイメージで捉えられています。
秦荘中学校の外観すら撮影を拒否されるということですから、当然の事だと思います。

この事が、教育委員会独自の判断であるなら、それは、町としてのイメージを損なうことにしか繋がっていません。
Cool Head & Warm Heartを標榜される村西町長におかれましては、行政の長として教育委員長に適切な対応をとるべく指導されるべきかと思います。

メディアの方にご連絡をいたします。
取材拒否は、愛荘町教育委員会の独自の判断によるものだそうです。
愛荘町全体としての意思ではないということですので、総務課または村西町長あての取材については拒否をされるものではないと確信いたします。




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【2010/09/14 11:03】 | 愛荘町の説明・対応
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愛荘町には怒りを覚えます!
heppoko runner
 8月24日、貴ブログにコメントを書き込ませていただいた者です。
 同日、愛荘町に質問メールを送りましたが、残念ながら今日にいたるまで一切
応答がありません。
 愛荘町には、一片の誠意すら感じられません。
 そして今回の教育委員会の独断専行。
 住民の選挙で選ばれたわけでもない町職員が、いかなる権限と法的根拠に
基づいて、このような暴挙を行いえたのでしょうか?
 自治体とは、住民の権利と利益を守るために存在するものですが、残念ながら
愛荘町には、地方行政の大原則が存在しないものと判断せざるを得ません。
 あらためて強い憤りを覚えます。

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明日から世界柔道が開催されます。
その関係で、今東京には海外の柔道連盟の方が多く滞在をしています。

全国柔道事故被害者の会が以前よりコンタクトをしていた方々も多く来日されており、ここ数日で会として何名かの海外の柔道連盟の方とお会いをさせていただきました。

お会いしたすべての国の柔道関係者が、日本の柔道で子供が毎年死んでいる状況を、信じられないと驚いてらっしゃいます。
それほど、海外では死亡事故が起こっていないのです。

柔道は危険がつきものだから仕方がない、などとおっしゃる方は1人もいませんでした。
お話をした全ての方が、日本の状況を何とかしなければいけないと憂い、真剣に考えていただける方ばかりでした。


海外の方とお話をし、日本との大きな違いを感じることがありました。
それは、多くの国では、柔道の指導者になるために、医学的な研修を含めた安全のための教育を受けているという事です。
明確な資格制度を設けている国もあります。
海外では、脳震盪の危険性、熱中症の防止策、これらは当たり前のこととして指導者が解っているのです。
解っていなければ指導者になれないのです。

そして、どのような状況が危険なのかが解っているから、事故に繋がるような指導を行わないのです。

日本では、柔道の指導者になるための資格制度はありません、教育も研修もありません。
柔道が上手であれば、指導ができるというのが現状です。

全柔連は安全講習を行っていますが、それも義務化されたものではなく、参加しなければ柔道指導者としての資格を剥奪される訳でもありません。

海外では、子供を守るためのプログラムがあり、これに違反をすると国家に登録されるという国すらあるのです。

先日、兵庫県で行われた全柔連の安全講習を含め、被害者の会としてもなんどか安全講習会を傍聴しています。
安全について、ずいぶん意識は変わってきたのだと思いますが、しかし、そこでとりあげられる安全講習は、基本的に指導に気をつけましょうという範疇を出るものではありません。

ある講習会では、セカンドインパクトシンドロームという言葉だけを講師の方が話し、それがどのような事なのかも説明されないまま、この言葉を覚えて帰ってください、とおっしゃったのだそうです。
講習会に出られた方は、その言葉の意味も解らず、ただノートに書かれていたと聞きました。
はたして、それでセカンドインパクトシンドロームが防げるでしょうか?

海外の安全教育との大きな差を感じる話です。

早急に、海外レベルでの安全研修が全指導者について行われなければなりません。

私は、日本でも指導者になるための資格を設けるべきだと思います。
少なくとも、安全のための研修を受けなければ柔道を指導してはいけないとするべきだと思います。

海外の柔道事故事例について、今回お会いした海外の柔道関係者の話などを含め、日曜日の松本のシンポジウムで発表をさせていただきます。


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【2010/09/08 19:33】 | 全国柔道事故被害者の会
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No title
少年柔道をしている子供の親
同感いたします。指導者のレベルに差があり過ぎます。子供達の道場でも初段から4段までの指導者が教えていただいていますが。中学までの人・高校までの人・大学までの人・実業団まで柔道をした人と様々です。命に関わる事です。後で後悔しても遅いのですから早急に対応してほしいです。しかし、講習等や資格等が無いと柔道の指導が出来なくなると言うことは、現状の指導者の3分の2は指導できなくなるでしょう。今年度よりルール改正がありましたが、新ルールに対応出来ていない指導者も数多くいるのが現状です。全柔連の重たい腰を上げさせるには難題だらけですね。最低限の安全対策が、柔道発祥の国で出来ていないのは非常に恥ずかしい現象ですね。中学で柔道が必修科目にもなります。何故だか理解に苦しみますが これ以上 被害者がでない事を願います。

痛ましいです。
ライラパパ
 8月24日に「スーパーモーニング」を見て、この事件があったことを初めて知りました。Uncle Mustacheさんが「お前らそれでも教育者か、恥を知れ」と仰っていたのがとても印象に残っています。
 甥の康嗣さんは事故でなくなったとは思えません。柔道部の顧問に殺されたも同然です。

 私の娘も中学校で暴力事件の被害者となり、学校側は曖昧な対応に終始したため裁判所で調停をしました。教育委員会はこの調停の場でも事象を矮小化しようとしました。
公立の教職員は公務員法で守られていて、事実を隠蔽することは得意分野ですから始末が悪いです。

 平成24年から柔道が必修科目になるようですが、こんな責任感のない公務員である教職員に「凶器」を与えるようなものと感じます。今のままのシステムで柔道が必修科目になるとしたら被害者が増えることはあっても減ることは無いと思います。

 行政を相手に裁判をしていくことはとても苦しいことだと思います。頑張ってください。


 

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今度の日曜日に長野県松本市で全国柔道事故被害者の会の第二回目のシンポジウムを開催します。

その松本から今朝、柔道事故を起こした指導者が業務上過失傷害罪で書類送検されるというニュースが届きました。
http://www.shinmai.co.jp/news/20100907/KT100906FTI090030000022.htm

被害者のご家族は、今度の松本のシンポで講演をいただく方で、被害者の会の創設メンバーです。
2008年の事故発生から2年と数ヶ月、遅すぎる送検ではありますが、この送検を受けて検察が正しい判断をする事を切に願います。




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【2010/09/07 16:10】 | 全国柔道事故被害者の会
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