2009年7月29日滋賀県秦荘中学校の柔道部で顧問に投げられた直後に意識不明になり、約1ヶ月後に急性硬膜下血腫で死亡した村川康嗣(当時12歳)の柔道事故の真実を明らかにし、それを多くの方に知ってもらうためのブログです。
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柔道事故と刑事責任について記載する予定でしたが、夕方に大きなニュースが飛び込んできました。
昨日記事にした大阪の柔道教室の事故について、簡易裁判所が略式起訴は「不相当」であると判断し、公判が開かれる通常裁判となる事が決定しました。

以下、報道記事より転載いたします。

・共同通信
柔道事故で「略式不相当」 指導者、通常裁判へ
 大阪市此花区で昨年11月、柔道の練習中に小学1年の男児=当時(6)=が死亡した事故で、大阪簡裁(立川唱寛裁判官)は18日、大阪区検が業務上過失致死罪で柔道教室の阪本剛指導者(36)を略式起訴としたことを「不相当」と判断した。今後は簡裁で通常の裁判が開かれる。
 起訴状によると、阪本指導者は昨年11月10日、男児が受け身を十分に習得しておらず、体の発達も未熟でけがをする危険があったのに、柔道場で数回連続して足払いや体落としの立ち技で投げて頭にけがを負わせ、同17日に脳腫脹で死亡させたとしている。
 柔道教室は此花区の整骨院が運営。大阪府警が今年2月、業務上過失致死容疑で阪本指導者を書類送検し、区検が17日、100万円の罰金を求め略式起訴していた。
(転載ここまで)


昨日、「柔道場で、柔道着を着て、柔道技で」事故が起きた場合、それが死亡事故であったとしても加害者が起訴をされた例は過去になく、刑事責任を問われた事がないと記載をいたしました。
交通事故であれ、建設現場の事故であれ、過失があれば、当然加害者や責任者は刑事上の責任を問われるのが普通です。

柔道では年間で4人以上の子どもが死亡している事故が何年も続いています。日本スポーツ振興センターに登録されている学校柔道だけでも死亡者は1983年度~2009年度の27年間で110人です。
これだけの死亡事故が起こっているにも関わらず、すべての事故で刑事責任を問われなかったというのは、常識的に考えておかしなことだと思います。

責任を負うべき人間が責任を負ってこなかったこと、それが日本において柔道事故がなくならない原因の一つであると私は思います。

今回の大阪の柔道事故で、大阪簡裁が略式起訴を不相当とした事によって、全国で初めて柔道事故が刑事裁判として裁かれる事になり、指導者の刑事責任が追求されることになります。
簡裁が検察の略式起訴の決定を覆すのは異例の事なのだそうです。
この決定は、今後の柔道事故の刑事事件において非常に大きな意味を持つ事になるでしょう。

柔道事故にようやく司法のメスが入ります。
公判の場において、どのような練習がされていたのか、どのような事が死亡に繋がったのか、柔道事故の実態を明らかにしていく事、そして指導者の刑事責任の有無を明らかにしていく事は、今後の柔道事故の再発防止にも繋がる事であると確信します。

柔道事故にどのような司法判断がくだされるのか、裁判の動向を注目していきたいと思います。



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【2011/05/18 20:36】 | 柔道事故裁判
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昨年の11月、大阪市の此花区の柔道教室で起こった小学校六年生の男児が練習中に指導者に投げられ死亡した事件で、指導者が略式起訴をされました。
以下、各社の報道を転載いたします。

・日本経済新聞社
柔道教室の小6死亡事故、指導者を略式起訴
 大阪市此花区の整骨院にある柔道教室で2010年11月、小学1年の男児(当時6)が練習中に意識不明になり、死亡した事故で、大阪区検は17日、男児を指導していた阪本剛・元診療助手(36)を業務上過失致死罪で略式起訴した。大阪簡裁は同日、罰金100万円の略式命令を出した。
 業務上過失致死容疑で書類送検された整骨院の経営者(37)については起訴猶予処分とした。
 起訴状によると、元診療助手は昨年11月10日、整骨院内の道場で、受け身の習得が不十分な男児に対し、連続して足払いなどの立ち技をかけて左急性硬膜下血腫の重傷を負わせ、同17日に脳腫脹で死亡させたとされる。
(転載ここまで)

・共同通信社
柔道事故で指導者略式起訴 全国初、小1男児の死亡
 大阪市此花区で昨年11月、柔道の練習中に小学1年の男児=当時(6)=が死亡した事故で、大阪区検は17日、業務上過失致死罪で、此花区の整骨院が運営する柔道教室の阪本剛指導者(36)を略式起訴した。大阪簡裁は同日、阪本指導者に罰金100万円の略式命令を出した。柔道事故被害者の遺族らでつくる「全国柔道事故被害者の会」によると、柔道の練習中に死亡した事故での起訴は、略式も含め全国初という。
(転載ここまで)


柔道の指導者が体罰や練習中の熱中症などで刑事責任を問われたケースは過去にもありますが、報道にあるように柔道の練習が起因となる事故で加害者が起訴をされるのは、これが初のケースだと思います。

驚く事に今まで、「柔道場で、柔道着を着て、柔道技で起こった事故」については、たとえそれが暴行に近い練習であったとしても、刑事事件として起訴されたケースは1件もなかったのです。
このような司法判断が続いていた事自体が大きな問題だと思います。
その意味では、今回のケースが柔道事故の刑事事件の方向性を変えるきっかけとなればと思います。

しかし、小学生の子どもの命を奪った事件が公判請求もされず、略式起訴で済み、罰金刑で妥当なのかどうかという議論はされるべきです。

柔道に関係する刑事事件については、もう少し記載したいことがあります。
柔道が関係する刑事事件の場合、刑事責任のあり方が非常に不明瞭だと感じています。体罰や熱中症では柔道の指導者が刑事責任を問われたケースがあると記載しましたが、この事にふれながら、次回、柔道事故に関する刑事責任について記載させていただきます。


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【2011/05/17 23:39】 | 柔道事故裁判
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朝日新聞で、福岡県の高校でこのような事件が起こっていた事が報道されました。
以下、朝日新聞の記事より転載いたします。

後輩柔道部員の首絞め失神 携帯で動画撮影
 福岡県久留米市の市立南筑(なんちく)高校(重富義光校長)の柔道部で今年3月、当時2年生の男子部員2人が1年生の男子部員の首をタオルで絞めて気絶させ、別の部員がその様子を携帯電話で撮影していたことがわかった。
 重富校長によると、3月24日、練習後の部室で2年生部員が1年生男子部員をいすに座らせ、後方からタオルで首を絞め、別の2年生部員が「落とせ」「やれ」などと言った。2人は、失神して倒れた部員の腹を踏んだり、背中にひざげりをしたりして意識を戻させたという。
 部員の意識が戻ると、2人は40キロのバーベルを1分半で25~30回ほど上げるトレーニングを数セットさせた。バーベルを持ち上げられなくなると、2年生部員がストップウオッチで頭を殴り、再びタオルで首を絞めて気絶させた。この様子を別の1年生の部員が携帯電話で動画で撮影していた。
 また、この前日の23日にも、2年生部員が男子部員の首をタオルで絞めて意識を失わせていたという。
 学校側は、柔道部を1週間の活動停止にし、1カ月間の対外試合禁止にした。また、2人を3週間の停学処分にした。柔道部顧問の体育教諭を5月1日付で顧問から退かせた。
 重富校長は「加害生徒の退学は教育的見地から解決にはならない。加害生徒、被害生徒の3人がもう一度、仲間として部で活動できるようにしたい。他の部員に対しては首絞めなどはしていない」と話した。
 一方、被害にあった部員の父親は「一歩間違えば命を失うところで、一般の人間がやれば殺人未遂になるような行為。到底許せるものではない」と語った。
 南筑高柔道部は全国制覇の経験もある伝統校。OBには元プロレスラーの坂口征二さんらがいる。
(転載元:http://www.asahi.com/national/update/0502/SEB201105020055.html


一歩間違えは死亡または脳に障害の残った可能性も否定できない事件です。
明らかに暴行事件であり、ご家族は刑事事件として告訴されてもよい内容だと思います。

そして、柔道の稽古と称してこのようなリンチまがいの暴行を加える事は、実は日本の各地で起こっているのではないかとも思っています。

武道必修化の目的の一つには、武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合ができるようにするという道徳的な目的が揚げらています。
本来的にはそうあるべきだと私も思っています。

しかし、武道を習う事によって、はたして相手を敬う精神は身に付くのでしょうか?
それをどのようにして教えて行くのでしょうか?
私はこのようような事件の報道に触れるたびに疑問を感じます。

柔道の祖、嘉納治五郎は「自他共栄」「精力善用」を説きました。
柔道とは単に強さを競い合うだけのものではないはずです。嘉納治五郎の崇高な志はどこにいったのでしょうか。



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【2011/05/03 16:26】 | 柔道事故
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