2009年7月29日滋賀県秦荘中学校の柔道部で顧問に投げられた直後に意識不明になり、約1ヶ月後に急性硬膜下血腫で死亡した村川康嗣(当時12歳)の柔道事故の真実を明らかにし、それを多くの方に知ってもらうためのブログです。
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7月29日で、事故の発生から2年がたった。
あの夏から数えて3度目の夏になる。

刑事告訴から1年半。
警察は、いまだに捜査中だという。
優秀な日本の警察が、犯人が逃亡している訳でもなく、被害者、加害者が明確なこの事件を、1年半もかけてまだ何を捜査するのだろうと思っている。


愛荘町の第三者による事故検証委員会の報告から1年。
村西俊雄愛荘町長が「事故は、町、顧問、中学校、教育委員会に責任がある」と初めてマスコミの前で述べてから1年。
しかし、この1年で愛荘町から何ひとつ連絡はない。


民事提訴から4ヶ月。
「事故の責任は町にある」と村西俊雄愛荘町長が認めながら、裁判の答弁書では町の責任を一切認めなかった愛荘町。
明日、8月1日までには、被告側の代理人より私達が出した訴状への反論が大津地裁に提出される予定になっている。


あの夏から数えて3度目の夏までに、ここまでのことしか出来なかった。


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【2011/07/31 11:20】 | 事故の経緯
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柔道の授業中に発生した事故で後遺症を負った男性が損害賠償を求めた訴訟の判決が2011年7月22日に東京地裁であり、担当教諭の過失を認め、学校を運営する学校法人に約1640万円の支払いを命じる判決が言い渡されました。

原告男性はの私立東京学園高校(東京都目黒区)の高校2年生だった2006年11月、柔道の授業で背負い投げをされた際に頭から落下。首に重傷を負い、下半身の麻痺などの後遺症が残りました。

男性は同年5月にも柔道の授業中に左足にけがを負い、その後の1学期中の授業を欠席していました。

判決では、柔道の授業で左足にけがをし、しばらく授業を欠席したため、受け身の練習量が不足していたと指摘。「生徒の習熟度を観察し、体調を聞き取ったうえで、背負い投げの練習に参加させないようにする監督義務があった」として、教諭の過失を認めました。

学校側は「2学期の授業で、十分な受け身の練習を行っていた」と主張していましたが、裁判長は「男性が必要な受け身を習得していたか確認できない」として、この主張を退けました。

以下、この裁判のマスコミ各社の記事へのリンクを掲載します。

■朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0722/TKY201107220497.html
■読売新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110722/trl11072221040011-n1.htm
■産經新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110722/trl11072221040011-n1.htm

柔道の授業中に発生した事故での民事提訴の判決です。

武道必修化を前にしたマスコミの取材で、全柔連は、
「柔道による死亡事故の大半が部活動で起こっており、授業では起こっていない。武道必修化で柔道を教えたとしても死亡事故が増えるとは考えられない」という内容のコメントを出しています。

このブログでも再三取り上げましたが、学校柔道における死亡事故の内、授業で発生したものは約13%です。
授業で死亡事故は起こっていないという主張自体がそもそも間違いですが、死亡事故だけを見れば確かに授業中に発生している事故は部活動に比べて少ないと言えます。

しかし、この提訴の事故のように、後遺症の残る重大事故にまで裾野を広げると、柔道の授業中に発生した事故件数は学校における柔道事故全体の約30%となります。
この数字は、決して少ないといえる数字ではありません。

死亡事故が起こっていないという事が、柔道の授業の安全性を担保するものではありません。



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【2011/07/23 15:29】 | 柔道事故裁判
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畳の上の警告~続発する柔道事故と中学必修化~
ぽんきち
はじめまして。
同じ中学柔道に関わる親として来年、中学校武道必修化に向けて緊急に解決すべき問題で山積みですね。

以前ドキュメンタリーでテレビで放映された番組です。
言葉で説明されるよりもショッキングな事実でした。
愛する柔道を守るためにも、きちんとした制度の確率が望まれます。

http://youtu.be/2zJVTpq748s

Re: 畳の上の警告~続発する柔道事故と中学必修化~
Uncle Mustache
コメントありがとうございました。

> 愛する柔道を守るためにも、きちんとした制度の確立が望まれます。

その通りだと思います。
そして、その制度が絵に描いた餅にならず、すべての指導現場で守られる事が必要です。
そのためには、指導をされる方の意識改革も必要になってくると思います。


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先週の火曜日(2011年7月12日)に、横浜地方裁判所で行われた横浜市立奈良中学校柔道部事件の民事裁判の傍聴に行ってきました。
当日は、原告側から脳神経外科医2名と柔道の専門家1名の証人尋問が行われました。

横浜市奈良中柔道部事故についてはWikipediaに掲載されていますのでリンクをご紹介しておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/横浜市奈良中学柔道部暴行事件

大変参考になる裁判でした。

須賀川市立第一中学柔道部リンチ事件、横浜商科大学高校柔道部裁判、金光大阪高校柔道部裁判、松本市柔道教室裁判の被害者家族の方も御見えになられていました。

原告側の尋問では、2名の脳神経外科医の方はともに事故は事故当日の練習に起因する加速損傷だと考えられると、事故と練習との因果関係を述べ、柔道家の方は当日の顧問の指導が制裁的意味合が深い事と指導方法の問題性を指摘しました。

脳神経外科医の方も柔道家の方も共通して、絞め技によって「落ちる」あるいは「半落ち」状態になった後に乱取りを継続する事が極めて危険であることを述べられていました。
絞め技をされて意識が朦朧とした中では防御能力が低下して頭部の保護ができなくなり頭部損傷が発生する可能性が増大する事、絞め技の後の乱取りの危険性を医学と柔道という二つの見地から指摘をされていた事が印象に残っています。

興味深かったのは被告側代理人よる反対尋問です。

被告側代理人の反対尋問の主旨は大きく、
1.当日の練習と事故との因果関係の否定
2.加速損傷による事故の予見可能性の否定
であったように思います。

練習と事故との因果関係の否定と加速損傷の予見可能性の否定は、過去においても柔道事故裁判で争点にされてきた事ですので、反対尋問の構成自体に目新しさは感じなかったのですが、私が興味深かったのは、とにかくそこに争点を持って行きたいという意図が、被告側代理人から非常に強く伝わってきたことでした。

事故は練習が原因ではない。
事故は予見ができない。

どのような柔道事故裁判でも、結局、被告側は同様の主張を繰り返すのだと半分呆れながらも聞いておりました。
逆にいえば、このような主張を繰り返すしか戦法がないという事なのかもしれません。

同様の争点について争われた松本氏の柔道教室裁判では、今年の3月に原告側の主張を全面的に認め、指導者の過失を認める判決が出ています。
加速損傷は予見可能であるという内容の判決です。

裁判という場に置いて被告の利益を守るための主張である事は承知の上で申し上げます。
このような主張がさも正論のように繰り返されているうちは、日本での柔道事故は決して減らないでしょう。

過酷な練習を是とする事が認められ、その結果として起こった事故の責任を指導者が負わなくてよいという事が認められれば、この国の柔道事故の悲劇は未来永劫続きます。


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【2011/07/20 11:48】 | 柔道事故裁判
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前回記事にした、全柔連医科学委員会の二村先生の衝撃的なインタヴューが朝日新聞に掲載された翌日の2011年7月6日、このブログでも以前取り上げた全柔連の柔道指導の手引書「柔道の安全指導」の改訂版(2011年第3版)が全柔連のWEBサイトにアップされました。

以下のリンクよりダウンロードできます。
「柔道の安全指導 」(PDF:約10Mb)

改定前は36ページの内容でしたが改定後は47ページとなり、増えたページの大半を脳損傷事故への対応や脳震盪への対応などの記述が締めています。
このブログでも再三取り上げた「加速損傷」の記述も入り、頭を直接打たなくとも投げ技の回転加速力だけで脳損傷が発生する事を全柔連も認めたという事になります。

これらの記述は、二村先生がインタヴューでお答えになられていた、医科学委員会が作成した頭部外傷発生時の対応マニュアルが元になっているのだと思われますが、この中で触れられている、脳損傷事故の発生機序、加速損傷の発生機序、脳震盪への対応などの内容は、全国柔道事故被害者の会が昨年6月のシンポジウム以来、再三にわたって述べていた事です。

今までこの国で、毎年毎年多くの犠牲者を出しながら、何十年もの間放置をされ、真剣に安全対策を講じられなかった柔道事故。
その柔道事故の撲滅のための第一歩が、非常に遅まきながら、今、ようやく始まったのだと実感をします。

そして、この事は、おそらく、全国柔道事故被害者の会の活動がなければ、さらに何年も放置されることになったであろうと想像します。
これほどの多くの犠牲者を出さなければ、そして、被害者の側から声を上げていかなければ、この国の柔道が変わらなかったであろう事、その事には憤りを感じます。

この安全指導の手引書が、多くの尊い犠牲者の上にようやく出来た事を、全柔連には、また柔道の指導者の方には、決して忘れないでいただきたいと思います。

この手引きの内容が絵に描いた餅にならず、現場レベルの指導者に徹底され、柔道による重大事故の撲滅に繋がることを期待します。





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【2011/07/13 16:55】 | 柔道の安全について
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柔道を取り巻く環境で大きな動きがありました。

2011年7月5日(火)の朝日新聞の朝刊に全柔連医科学委員会副委員長の二村雄次氏のインタヴューが掲載されました。
オピニオン欄のほぼ全面を使った記事ですので多くの方がお読みになったと思います。

このインタヴュー記事の中で、全柔連の医科学委員会の副委員長である二村先生ご自身が、柔道では今まで頭部損傷に対する安全対策が十分に検討されていなかった事を認め、安全対策が必要なことに触れられています。

全柔連の中の、しかも医科学委員会の副委員長である二村先生が、今まで安全対策がとれていなかった事を認められ、ここまで踏み込んだご発言をされた事にまず驚きました。

このインタヴューの中で二村先生は、名古屋大の内田良準教授より中高における柔道の死亡事故の多さを知らされた時に「想像を絶する世界だった」と話されています。

また、来年度から始まる武道必修化を安全対策が不十分な現状のままで行うことに懸念がある事にも触れられています。

さらに、柔道事故について、事故が起きた時に「第三者による柔道事故調査委員会を設けるべきだ。原因を突き止め、再発防止策までつくる。二度と被害者を出さないために絶対に必要」と話されています。

二村先生は愛知県がんセンターの総長であり、胆道がん治療の世界的権威としても知られています。
また全国柔道事故被害者の会のシンポジウムにもお見えになっていただき、多発する柔道事故に心を痛められ、事故撲滅を真摯にお考えになっていただいている方です。

二村先生は、こう締めくくっています。
「私は医療事故では『逃げない、ごまかさない、隠さない』という姿勢が大事だと言い続けてきた。柔道事故でも同じ事を強く言いたい」

全柔連の重鎮からの大変貴重なご意見です。
是非、ご一読いただきたいと思います。



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【2011/07/12 23:05】 | 柔道の安全について
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子どもの発達と武道
加藤 靜恵
札樽病院・北翔会あゆみの園(小樽・札幌)で発達障害(自閉症・広汎性発達障害・注意欠陥多動など)の小児のリハビリテーション(感覚統合療法主体)を担当している小児科医です。
 私の子どもの学童保育や少年野球のお仲間のお子様でも下記のような例が経験されています。
①学校で同級生とすもうをとってあびせ倒され頭蓋内出血、痙攣を起こしてんかんの後遺症を残した(跳び箱が飛べず、かえるとびができない。しかし、中学入学後、柔道を習い、雪道で転倒しても受身ができるようになって頭を打たなかったとその後お母様から聞きました)
②学童保育で低学年の子に負けてやろうと思って転んで自ら頭を打ち、帰宅後に目が見えないと訴え、一過性の視力障害を起こした。
 ③柔道部で技を掛けられ、硬膜外血腫を生じ入院加療を要した。
 ④転倒したり、押さえつけられた時、手が出ず、項部を伸展保持できないので前歯を損傷させる。

 リハ科として小児精神科から広汎正発達障害診断名での紹介が多く、支援学級や支援学校在籍だけでなく、普通学級に在籍している不器用を主訴に受診され留お子様もいます。
 中学生になって、ノートが取れない・運動が苦手などを主訴での受診も増えています。
 このお子様たちに共通する下記のような身体の機能不全を抱えています。
 四つ這い・高這い位が取れない(脊柱の柔軟性がなく、床に手がつかない・床に手をつけ幼児がする見えた・見えたのポーズができない)。
身体の硬いことは自慢になりませんと保護者の方にお話しています。乳児期に這えないということは、大腰筋・腸腰筋を使って股関節を屈曲できず、肩甲帯を使って上肢を動かす協調運動ができず、脊柱起立筋や腹横筋、腹斜筋などインナーマッスルのトレーニングが十分できないまま起立・独歩してしまったということです。
 蹲踞ができない(股関節や足関節が十分屈曲キープができず和式トイレで用を足せない・ヤンキー座りができないジベタリアン、骨盤帯がコントロールできず骨盤が後傾の仙骨座り)
非対称性緊張性頚反射(ATNR)対称性緊張性頚反射(STNR)などの原始反射が残存しており、頸部を回旋させると肘関節屈曲や肩甲骨同時に動く、頸部を屈伸させると胸椎・腰椎・股関節へも動きが連動し、頭部の動きとそれ以下の脊柱の動きが分離していない。(年長児では自転車に乗って頸部を回旋させたとき手ブレーキが効きづらい、書字しているとき手の力が脱けるというようなことに続きます)
 姿勢反射の異常(パーキンソン病の高齢者と同じ)、保護伸展反応(前後左右に押された時に、手が出ず、肘で着地するか身体を固める)が獲得できていない(怖がって、跳び箱が飛び越せない・雑巾がけができない、反射的に項部を伸展して顎を引きを保持し続けられない)。
  肩甲帯・上肢の同時収縮が十分でなく、脚を抱え込んでのマットゆりかごができない、逆上がりができない。鉄棒・うんていにぶら下がれない。
 20年以上前から小学校では転んで手掌をすりむくのではなく、顔面の怪我をすることに気づかれています。
 歯科医師も運動会で、転んだり・組体操で保持できないなどで前歯を受傷して受診する児童がいることにお気づきです。このようなお子様たちは形成外科や歯科を受診するので、乳幼児健診を担当している小児科医はその事実を知らないままと思われます。
 椅子や洋式トイレの生活が定着し、和式トイレの生活がなくなり、正座で食事をすることもなくなり、正木氏が指摘するように背筋力も年々低下し、足腰は弱くなっています。また、健康な成人のエックス線画像を測定した調査では、40歳未満の女性ではストレートネックか、後方への湾曲が30%を占め、特に20歳代女性では46%がストレートネックでした。従って、ストレートネックは異常なものではありません。最近の若い人は全身の運動量が少なく、頸椎を支える筋力が弱ってきたためだと思われます。と指摘されています(里見和彦 杏林大病院整形外科客員教授(東京都三鷹市) 2009年11月22日 読売新聞)。 道場や体育館の雑巾がけは脊柱の柔軟性・大腰筋・腸骨筋などのインナーマッスルの強化として・準備体操の意味があったと思われます。
 マットゆりかごができない、逆上がりができない、跳び箱が飛べなくても日常生活は送れます。
 事実、都立梅が丘病院精神科の山田佐登留医師は”日常診療で出会う発達障害のみかた”(中外医学社2009)で発達性協調運動障害の場合でも苦手な運動が日常生活上不可欠なものではない場合が多い(縄跳び・スキップ・お遊戯など)ので、不器用さは残存しても社会生活を問題なく送れる場合が多い。いかに、学齢期間中に苦手意識をもち強く自己評価を低下させたり、からかいの対象にとなるかを避けるかを考えていくことが重要である・・・・・苦手な事の訓練を無理強いすることはますますその課題を嫌いにさせてしまうということ、達成可能な興味の持てる課題から段階的に練習を行う必要があるということ、一部の困難は適正な訓練を元に改善できる可能性が或ことがわかったと述べています。
 しかし、協調運動障害・不器用に実態は、危急時に、自分の頭や顔を守る身体運動機能(大脳基底核の姿勢保持・歩行・筋緊張保持機能)が十分に発達していないことであることにはお気づきではないようです。
 姿勢反射の獲得を基にした、子どもの体幹力・身体の発達アセスメントを、乳幼児保育・教育関係者が認識していただきたいと思います。
 母(保育者)子の身体づくりを基盤とした子育て支援・乳幼児保育・体育教育(コアリズムなど)が緊急課題です。


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