2009年7月29日滋賀県秦荘中学校の柔道部で顧問に投げられた直後に意識不明になり、約1ヶ月後に急性硬膜下血腫で死亡した村川康嗣(当時12歳)の柔道事故の真実を明らかにし、それを多くの方に知ってもらうためのブログです。
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昨年の全国柔道事故被害者の会の立ち上げ、それに続くシンポジウム以降、柔道事故に関する報道が多くなってきています。
来年度からの武道必修化との関係もあり、様々なメディアで大きく取り扱われるようになりました。

柔道事故が大きく取り扱われる事は、多くの方に事故の実態を知っていただき、柔道の安全対策の実現に繋がる事になると思っていますが、その一方で最近心配をしている事があります。

それは、柔道事故が大きく扱われるが故に、事故や不祥事が起こってもそれを表に出さないケースが出てきているのではないかという危惧です。

その中には、もちろんご遺族やご家族のご意志によって公表をされていないものも当然あると思います。

が、武道必修化を前に、それに水を差すような事故や不祥事を公にしたくない。
事故や不祥事などで、柔道にマイナスのイメージをつけたくない。
これだけ柔道事故が騒がれている中で事故や不祥事が起きた事を公にすると管理者の安全管理、責任能力が問われる。
等の理由によって、事故や不祥事が表に出なくなっている事があるのではないかというのは、単に私の取り越し苦労ではないように思います。

今年、メディアに報道された柔道活動中による死亡事故は、長崎県の高校の柔道部で発生した熱中症による死亡事故だけですが、この他にも複数件の死亡事故が確実に発生しています。

これらの中には、ご遺族のご意志によって、現時点では公にされていないものもあります。
が、全柔連には報告されているものの、詳細な情報が一般には一切公開されていないものもあります。

また、命は取り留めたものの、重大な後遺症の残る事故の情報も、既に数件寄せられています。
こちらも現時点でメディアの報道には載っておりません。


更に、不祥事については、事故以上に多くが公表されないままになっているように感じます。
単なる根拠の無い噂であれば良いのですが、そうとは言い切れないのものがあります。

特に名門と呼ばれる学校の柔道部の不祥事については、未確認の情報としては今年になってからも既に複数件が情報として寄せられていますが、それらが刑事事件として送検されたり、あるいは学校側が情報をオープンにして謝罪や父兄に説明をしたという話は聞こえてきません。
今年の3月に発生した福岡県の南筑高校においてリンチまがいの暴行事件があった事が報道されたのは、却って珍しいケースとさえ言えます。

強いが故に、あるいは有名であるが故に、許される不祥事などがあってよいはずがありません。

事故も不祥事も、多くは「教育的配慮」という言葉の元に情報が開示されない事が多いのでしょうが、「教育的配慮」という言葉があまりにも管理者側の都合の良い説明に使われているのではないかと思っています。

情報は開示されることによって共有されます。
情報を開示することで、原因を究明に繋がります。
このブログでも再三申し上げていますが、その事が柔道の安全対策に繋がると思っています。

柔道に限らず、事故や不祥事の情報が、隠蔽されるかのように開示されないのは健全な社会ではないと思います。

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【2011/10/18 11:46】 | 柔道事故
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全国柔道事故被害者の会が11月27日(日)に行うシンポジウムの申し込み受付が開始されました。
http://judojiko.net/news/949.html

今回のシンポジウムでは過去3回のシンポジウムで発表した内容に加えて、新しい講演を予定しています。

柔道事故を力学的に検証をするという発表は、おそらく日本で初めての発表であり、注目をされるものと思います。
具体的には、急性硬膜下血腫の発生メカニズムを力学的に検証し、その防止について講演をいただくのですが、この力学的検証こそ、多くの柔道事故の裁判において常に問題となるものです。

我が家の民事提訴においても、元顧問は、最後の康嗣との乱取りで、康嗣を「やさしく投げた」という供述をしています。
この乱取りを目撃していた生徒は、事故翌日の聞き取り調査において、この時の乱取りを「先生の投げは早かった」と供述していますが、元顧問は、生徒の聞き取りに反して、投げはしたがやさしく投げたと、答弁書の中で答えているのです。

このあたりの、実に曖昧で、記憶にのみもとづいた元顧問の答弁については、具体的な証拠を提出するように求めています。
裁判なのですから、「やさしく投げた」などという抽象的で曖昧な内容ではなく、具体的にどの程度の力で、どの程度のスピートで投げたのか、客観的に解る内容が求められるのは当然です。

今回のシンポジウムの力学的な検証は、人間の脳に急性硬膜下血腫を発生させる程の衝撃は、どの程度のものなのかを検証するものになると思われます。
どの程度の力が加わった時に、脳の橋静脈が破断するのかを力学的に検証をすれば、およそ「やさしく投げた」などという答弁が、いかに欺瞞に満ちたものであるかを検証することが可能です。

自己保身のために塗り固められた嘘は、科学的な検証の前にひとつひとつ剥がされていくのです。




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【2011/10/14 01:55】 | 全国柔道事故被害者の会
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このブログでもお伝えをしてきた、昨年(2010年)の11月に大阪市の此花区の柔道教室で小学1年の男児(当時6歳)が練習中に意識不明になり死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた元指導者の判決公判が本日(2011年10月5日)大阪地裁であり、指導者に有罪の判決が下りました。

この裁判は、柔道場で柔道の練習中に柔道技によって起こされた事故として、日本で初めて審理される、柔道指導者の刑事裁判として注目をされていたものです。
また、大阪区検が2011年5月、同罪で指導者を略式起訴しましたが、大阪簡裁が書面審理ではなく通常裁判が妥当として「略式不相当」と判断、同地裁に審理を移した事でも注目集めていました。

大阪地裁の中川博之裁判長は、判決の中で「柔道は事故が起きやすいスポーツ」と指摘。被告が男児に十分な受け身を習得させていなかった等、被告の過失は重いとしましたが、一方で「遺族への謝罪や真摯な反省など酌むべき事情も認められる」と述べ、禁固刑などではなく、検察の求刑通りの罰金100万円の有罪判決としました。

この判決により、日本で初めて刑事裁判において柔道の指導者の過失が認定され、有罪の判決がくだされた事になります。

また、この判決では、男児が死亡した原因について、直接頭を打たなくとも、立ち技を連続してかけて頭部を激しく揺さぶった事により急性硬下血腫が発生した事によるものである、と認定をしました。
「加速損傷」が死亡に繋がる脳損傷の原因であると、刑事裁判で認められた事になります。

今までの柔道事故の裁判においては、指導者は、引き手をひいて頭を打たないようにしていたので頭はぶつけていない、したがって脳損傷の原因は柔道によるものではないと主張をしてきましたが、加速損傷が刑事裁判で死亡原因として認められた事によって、もうこの言い訳は通じなくなります。
この加速損傷が死亡原因であるという刑事裁判での認定は、今後多くの柔道事故裁判で、非常に大きな意味を持ってくるものと思われます。

指導者の過失認定と加速損傷の認定、今回の判決は非常に大きな意味をもつ判決であったと思います。

最後に、今回の量刑について。
今回の量刑については、様々な議論がされることと思います。

過去の判例に照らし合わせれば、仮に禁固刑などが言い渡されたとしても、業務上過失致死の場合、初犯であればほとんどの場合執行猶予がつき、執行猶予期間を過ぎれば刑の言い渡しの効力が消滅します。
執行猶予期間が過ぎて刑が消滅するくらいなら、業務上過失致死傷罪の罰金刑の上限である100万円という罰金で被告に経済的な負担を強いることで罪をつぐなわせるという事も、過去の判例から考えれば、現実的な刑事責任のとらせかただと捉えることもできるでしょう。

しかし、この被告は、自らの段位や経歴を偽って柔道教室の生徒を募集し指導にあたっていたこと、事故当日は、死亡した男児のやる気が十分でないと感じ、激しい乱取りげいこを続けたと供述している事、途中でやめると根性が育たないとして受身が十分でない男児に何度も立ち技をかけた事、更に、裁判の中で、初めて柔道を児童に教えるにもかかわらず、「指導書を読んでいなかった」と明かしている事など、悪質であまりにも無責任であると言わざるを得ません。

それらを考えれば、いかに真摯に反省しているとはいえ、小学校1年生の男の子の命を奪った事件の量刑が罰金刑で妥当であるとは個人的には到底思えません。
判例にとらわれることなく、悪質な場合については実刑を下す必要もあるのではないかと考えます。

以下、各メディアの本裁判の記事へのリンクをご紹介します。

毎日放送
http://www.mbs.jp/news/jnn_4843886_zen.shtml

日テレニュース24
http://news24.jp/nnn/news8892456.html

読売新聞
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20111005-OYO1T00850.htm?from=main3

朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/1005/OSK201110050041.html

産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111005/trl11100512230001-n1.htm

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【2011/10/05 21:31】 | 柔道事故裁判
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