先日も記載した2004年の12月に発生した横浜市立奈良中学の柔道事故提訴において、昨日(2011年12月27日)、横浜地裁は横浜市と神奈川県に対し、約8920万円の支払いを命じる、原告勝訴の判決を言い渡しました。
長い間、治療やリハビリなどをされながら闘われてきた被害者と被害者のご家族のご苦労が報われる判決となった事に何よりも安堵をいたしました。
この裁判においては、被告側の教諭と横浜市、神奈川県は、練習と事故との因果関係を一切認めず、練習は適切であったと主張、さらに、頭部に挫傷や打撲の痕跡がないことを理由に「頭部の強打は認められない」とし、柔道の投げ技で頭部の静脈が切断されるのは稀なケースだとして「予見は不可能だった」と全面的に争っていました。
これ対し、判決理由では「男子生徒が硬膜下血腫などの重傷を負ったのは、教諭の掛けた技の回転力で脳の静脈が損傷した(加速損傷)が原因」と練習と事故との因果関係を明確に認定。
さらに、乱取り中に教諭の絞め技によって男子生徒が半落ち状態であった(絞め技により意識が朦朧としていたこと)をあげ、そのような状態で技を掛け続ければ、重大な傷害が発生することは十分に予見が可能であったとし、安全配慮義務を怠った、と指摘しました。
事故原因は不明であるとし、事故との因果関係自体を完全否定し、事故が予見できなかったとする被告側の主張は、全面的に退けられた判決となりました。
また、長野県松本市の柔道教室事故の民事裁判、大阪市此花区の柔道教室死亡事件の刑事裁判に続き、頭部を強打しなくても、また、頭部に明らかな外傷がなくても、柔道の投げ技による回転加速力で橋静脈が破断する加速損傷が事故の原因であると明確に認定された判決となりました。
事故原因が加速損傷である事を明確に認定した判決が、これで民事で2例、刑事で1例となった事で、もはや「頭を打っていないので柔道とは関係がない」、「引き手をひいて頭を打たないようにしていたので柔道とは関係ない」、「頭部に外傷がないので柔道とは関係がない」などとする指導者、加害者の非科学的な主張は、今後とも完全に否定される事になると思われます。
また今回の判決で、絞め技をした直後に乱取りを継続する危険性について指摘した事は、今後の柔道事故裁判だけでなく柔道の安全対策にも大きな影響を与えると思います。
被告の教諭、横浜市、神奈川県は今回の判決を厳粛に受け止めるべきなのは勿論ですが、まず判決内容をよく理解するべきだと思います。
因果関係を全面的に否定することで争いながら、事故と練習との因果関係が明確に認定された事、急性硬膜下血腫の原因が柔道技によって発症した加速損傷であると認定された事、さらに、同様の判例が民事、刑事と続いている事、これらの事を考え合わせれば、被告側の主張がいかに真実と離反していたかは明確です。
判決を真摯に受け止め、反省をし、同じ事故を起こさないための安全対策を取る事が、何よりも優先されるべき事柄であり、控訴によって、いたずらに時間をかけるべきではないと思います。
判決内容を電話で伝え聞いた被害者の男性は「これで先生は謝ってくれるのかな」と話したという事です。
この言葉も、被告側は真摯に受け止めて欲しいと思います。
判決後の記者会見において、原告のご両親が、教育委員会が事故と柔道練習との因果関係を認めず、脳損傷の原因は登校中に電信柱にでも当たったからではないか、と言った事を話されました。
事故原因を真摯に究明しようとせず、ただ責任回避のために、被害者を傷つけるこのような発言が、多くの柔道事故の現場で平気でされてきました。
我が家の事故でも、同じような事を、学校や教育委員会の関係者が発言しました。
事故原因から目を背け、事故原因を真摯に究明しようとしなかった、このような姿勢が、結果として毎年4人以上の子供が学校の柔道で死亡する事に繋がっていったのです。
安全であるべき学校において、真摯に事故と向き合わず、何の根拠も無い非科学的な論理を振りかざし、ただただ責任を回避するという姿勢が、何の安全対策もとられない現状へと繋がって行ったのです。
今回の判決は、今後の柔道事故裁判だけでなく、柔道の安全そのもの、柔道による重大事故の防止の意味においても、非常に大きな意味のある判決であったと思います。
以下、今回の判決の報道記事へのリンクを掲載します。
(リンク先は2011年12月28日現在のものです。期間がすぎると非表示になるものもありますのでご注意ください)
■フジテレビ(動画配信)
■テレビ朝日(動画配信)
■NHK
■朝日新聞(2011年12月28日)
■朝日新聞(2011年12月27日)
■毎日新聞(2011年12月28日)
■東京新聞(2011年12月28日)
■神奈川新聞(2011年12月28日)
■読売新聞(2011年12月28日)
■読売新聞(2011年12月27日)
■日経新聞(2011年12月27日)
■産経新聞(2011年12月27日)
■時事通信(2011年12月27日)
■共同通信(2011年12月27日)
長い間、治療やリハビリなどをされながら闘われてきた被害者と被害者のご家族のご苦労が報われる判決となった事に何よりも安堵をいたしました。
この裁判においては、被告側の教諭と横浜市、神奈川県は、練習と事故との因果関係を一切認めず、練習は適切であったと主張、さらに、頭部に挫傷や打撲の痕跡がないことを理由に「頭部の強打は認められない」とし、柔道の投げ技で頭部の静脈が切断されるのは稀なケースだとして「予見は不可能だった」と全面的に争っていました。
これ対し、判決理由では「男子生徒が硬膜下血腫などの重傷を負ったのは、教諭の掛けた技の回転力で脳の静脈が損傷した(加速損傷)が原因」と練習と事故との因果関係を明確に認定。
さらに、乱取り中に教諭の絞め技によって男子生徒が半落ち状態であった(絞め技により意識が朦朧としていたこと)をあげ、そのような状態で技を掛け続ければ、重大な傷害が発生することは十分に予見が可能であったとし、安全配慮義務を怠った、と指摘しました。
事故原因は不明であるとし、事故との因果関係自体を完全否定し、事故が予見できなかったとする被告側の主張は、全面的に退けられた判決となりました。
また、長野県松本市の柔道教室事故の民事裁判、大阪市此花区の柔道教室死亡事件の刑事裁判に続き、頭部を強打しなくても、また、頭部に明らかな外傷がなくても、柔道の投げ技による回転加速力で橋静脈が破断する加速損傷が事故の原因であると明確に認定された判決となりました。
事故原因が加速損傷である事を明確に認定した判決が、これで民事で2例、刑事で1例となった事で、もはや「頭を打っていないので柔道とは関係がない」、「引き手をひいて頭を打たないようにしていたので柔道とは関係ない」、「頭部に外傷がないので柔道とは関係がない」などとする指導者、加害者の非科学的な主張は、今後とも完全に否定される事になると思われます。
また今回の判決で、絞め技をした直後に乱取りを継続する危険性について指摘した事は、今後の柔道事故裁判だけでなく柔道の安全対策にも大きな影響を与えると思います。
被告の教諭、横浜市、神奈川県は今回の判決を厳粛に受け止めるべきなのは勿論ですが、まず判決内容をよく理解するべきだと思います。
因果関係を全面的に否定することで争いながら、事故と練習との因果関係が明確に認定された事、急性硬膜下血腫の原因が柔道技によって発症した加速損傷であると認定された事、さらに、同様の判例が民事、刑事と続いている事、これらの事を考え合わせれば、被告側の主張がいかに真実と離反していたかは明確です。
判決を真摯に受け止め、反省をし、同じ事故を起こさないための安全対策を取る事が、何よりも優先されるべき事柄であり、控訴によって、いたずらに時間をかけるべきではないと思います。
判決内容を電話で伝え聞いた被害者の男性は「これで先生は謝ってくれるのかな」と話したという事です。
この言葉も、被告側は真摯に受け止めて欲しいと思います。
判決後の記者会見において、原告のご両親が、教育委員会が事故と柔道練習との因果関係を認めず、脳損傷の原因は登校中に電信柱にでも当たったからではないか、と言った事を話されました。
事故原因を真摯に究明しようとせず、ただ責任回避のために、被害者を傷つけるこのような発言が、多くの柔道事故の現場で平気でされてきました。
我が家の事故でも、同じような事を、学校や教育委員会の関係者が発言しました。
事故原因から目を背け、事故原因を真摯に究明しようとしなかった、このような姿勢が、結果として毎年4人以上の子供が学校の柔道で死亡する事に繋がっていったのです。
安全であるべき学校において、真摯に事故と向き合わず、何の根拠も無い非科学的な論理を振りかざし、ただただ責任を回避するという姿勢が、何の安全対策もとられない現状へと繋がって行ったのです。
今回の判決は、今後の柔道事故裁判だけでなく、柔道の安全そのもの、柔道による重大事故の防止の意味においても、非常に大きな意味のある判決であったと思います。
以下、今回の判決の報道記事へのリンクを掲載します。
(リンク先は2011年12月28日現在のものです。期間がすぎると非表示になるものもありますのでご注意ください)
■フジテレビ(動画配信)
■テレビ朝日(動画配信)
■NHK
■朝日新聞(2011年12月28日)
■朝日新聞(2011年12月27日)
■毎日新聞(2011年12月28日)
■東京新聞(2011年12月28日)
■神奈川新聞(2011年12月28日)
■読売新聞(2011年12月28日)
■読売新聞(2011年12月27日)
■日経新聞(2011年12月27日)
■産経新聞(2011年12月27日)
■時事通信(2011年12月27日)
■共同通信(2011年12月27日)
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