2009年7月29日滋賀県秦荘中学校の柔道部で顧問に投げられた直後に意識不明になり、約1ヶ月後に急性硬膜下血腫で死亡した村川康嗣(当時12歳)の柔道事故の真実を明らかにし、それを多くの方に知ってもらうためのブログです。
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全国柔道事故被害者の会を設立し、その活動の中で、私は常に事故を防ぐのは指導者次第だと言い続けてきました。
しかし、同時に多くの指導者の方が安全の知識を欠いたままで指導をされている現実にも直面をいたしました。

柔道で命にかかわる重大事故の大半は回転加速力による脳損傷(加速損傷)であるにも関わらず、その知見、発生機序については、被害者の会が2010年6月に第1回目のシンポジウムを開催し、そこで柔道による脳損傷の危険性を訴えるまで、全柔連ですらその事を認識されていませんでした。
多くの柔道家の方は、頭を打たなければ頭部事故は発生しないという認識を持たれており、そして、それは今でもまだ変わっていないのではないかと思っています。

また、多くの柔道の指導現場において極めて暴力的な指導が行われていることも解りました。
我が家の事例でも、指導中に平手で殴る、蹴るなどの暴力行為が元顧問によって日常的に行われていました。
多くの場合、これらは悪しき風習として看過されたままでした。
暴力をもって指導をする人間に、安全への配慮など出来る訳がありません。

指導者に医学的な知見があり、安全への真摯な配慮さえあれば、多くの事故は防げるのです。
再三このブログでも取り上げている通り、フランスの事例がそれを証明しています。
指導者の質の向上、それが何よりも今の日本の柔道に求められているものです。

ただ、この事を訴えながらも、指導者が自らの意識を変え、暴力を排除し、指導方法を抜本的に見直すには、長い年月がかかるだろうと個人的には思っていました。50年かかって、それができるかどうでかさえ疑問であると悲観的に推測をしていました。

しかし、今、日本の柔道に大きな変革のチャンスが到来しています。
特に、昨年の柔道女子代表選手の暴力問題の告発以来、日本の柔道界は内外から大きな変革を求められています。
そして、今、この機会に、すべての膿を出し切り、襟を正すことが出来れば、日本の柔道は大きく生まれ変われると思っています。

この機会に、全柔連が暴力を徹底的に排除し、安全意識を徹底することができれば、私が50年以上かかるのではないかと危惧をしていた指導者の意識改革が極めて短期間で出来るはずです。

これは、日本の柔道の未来に関わる問題だと思います。
その事を、全柔連はどれほど認識されているのでしょうか。

日本の柔道人口は年々、数千人の規模で減少しています。
被害者の会設立当時は19万人と言われていた日本の柔道人口は、今や17万人程度にまで落ち込みました。
これを、柔道に対するネガティブキャンペーンのせいだと捉えられている一部の柔道家の方がいらっしゃいますが、日本の柔道が、安全への配慮を考えず、旧態依然とした指導方法を変えようとしなかった結果でしかないと私は考えます。

今こそが、1881年に嘉納治五郎師が柔道を設立して以来、最大のチャンスであることは間違いありせん。
このことを本当に真摯に考えなければ日本の柔道の未来は暗いものになると私は思います。

全柔連は、2011年4月に指導者の資格制度の導入を決定し、今年度(2013年度)より柔道指導者資格制度を完全導入するとしています。
これにより新たに柔道の指導者になる方には安全講習が義務付けられました。
しかし、この安全講習は、当初30〜40時間の講習とされたものが、徐々に軽減され、今では複数日の講習と曖昧な表記に変えられています。
当初でさえ、フランスで行われている100時間を超す講習に比べて、いかにも簡易な講習内容だと危惧をしていましたが、それがさらに軽減される方向になっています。
さらに、現役の指導者の方にはこの講習すら免除され、わずか数時間の講習と実技だけで指導者資格が認定されます。

大きな変革の波が来ているにも関わらず、未だに、このような事がされているのが日本の柔道の現実です。

今こそが、変革のチャンスなのです。
このチャンスを逃せば、日本の柔道の未来は無いという思いで改革に取り組まれるべきだと考えます。

お題目だけの資格制度を導入するのではなく、暴力を完全に排除し、徹底した安全知識と医学的知識を持たせた厳格な資格制度と指導方法を導入をすることで、日本の柔道もフランス並みに安全に指導できる事を証明するのです。
それが出来ない指導者には現役の指導者であろうが、決して指導者としては認めないという強い姿勢を打ち出されるべきです。
柔道は危険なものという認識から、柔道は安全に行えると、自らの姿勢でそれを証明されるのです。

全柔連は、今が危機的状況であると捉えているかもしれませんが、この状況こそが、変革の最大のチャンスです。
今、この事が出来なければ、私は日本の柔道に未来はないと考えます。




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【2013/04/08 11:21】 | 柔道の安全について
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夕方になって非常に大きなニュースが飛びこんできました。

2008年5月に松本市の柔道教室で当時小学6年の男児が練習中に投げられ急性硬膜下血腫を発症、重い障害が残った事故で、長野地検が業務上過失傷害罪で2度にわたり不起訴(嫌疑不十分)とした元指導者に対して、長野検察審査会は「起訴すべき」とする2回目の議決をし、元指導者は強制起訴されることになりました。

議決書では、男児と元指導員は体格差、能力差が大きく「基本技でない片襟体落としをかけたのは事故発生の重大な危険性がある」と指摘。
また、小中高校生にスポーツの指導をする際には、脳が揺れやすく、急性硬膜下血腫を起こしやすいことを念頭に置く必要があると指摘し、危険を伴う柔道の指導者は、頭部を打たなくても急性硬膜下血腫などで重大な結果が生じることを知り得たと判断。
同罪の成立に必要とされ、検察官が一貫して否定している予見可能性は「柔道の指導者として頭を直接打ちつけなくても重大な結果が生じると知り得た」とし、元指導者には予見可能性があり、事故の回避は可能だったと結論付けました。

この事故では、長野地検が2012年4月に元指導者を不起訴としたのを受け、男児のご両親が同年5月に検察審査会に審査を申し立てていました。検察審査会は7月に「起訴相当」と議決しましたが、長野地検は同12月に再び元指導者を不起訴としていました。

以下、報道記事へのリンクをご紹介します。
(リンクは、2013年3月7日現在において確認ができるものです。一定の期日を過ぎると非表示となるリンク先もありますのでご注意ください)

NHK
日本経済新聞
読売新聞
信濃毎日新聞
スポーツ報知

検察審査会の議決によって、柔道事故の加害者が起訴される初めてのケースです。
民事で認定された元指導者の予見可能生を、検察側は刑事事件としては嫌疑不十分としましたが、検察審査会は予見可能性認め、事故の回避は可能であったとした今回の議決は、我が家の事故も含め、今後の柔道事故の刑事裁判に大きな影響を与えるものと思います。



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【2013/03/07 18:21】 | 柔道事故裁判
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女子柔道の日本代表選手らが強化合宿で園田隆二監督と男性コーチによる暴力やパワーハラスメントをJOCに告発したというニュースが大きく報道れています。

NHK
日刊スポーツ
産経スポーツ

全柔連は、この事実が発覚したことを受けて記者会見を行い、事実関係を認めて謝罪しましたが、園田監督が深く反省していることから、このまま代表監督は続投させるのだそうです。
また、同時に処分を受けた男性コーチについては「選手同様、将来性がある」と男性であること以外は公表をしないという事です。
今更驚きはしませんが、いかにも甘い処分です。

しかし、その反面、JOCには、告発をしたとされる15人の選手の名前を聞いたと言うことで、これに対しJOCからは、選手を守るために名前は出せないと言われたと村上清・全柔連事務局長の話が掲載されていました。
JOCの判断は当然でしょう。

指導者が絶対である柔道界の体質を考えれば、告発をされた選手の皆さんは、ご自分の選手生命をかけるほどの非常に大きな決断の元にこの告発をされたのだと推測します。
そして、その大きな決断をさせるほど、この暴力行為は選手の皆さんには堪え難いことであったのだと思います。

そもそも、この問題については2012年の9月の時点で、すでに全柔連には情報が入っており、調査の結果、園田監督本人が暴力行為を認め、監督が始末書を提出するとともに、同月下旬に監督が暴力を振るった選手に口頭で謝罪したことで、全柔連は問題が収束したと認識していたのです。
逆にいえば、この暴力問題をその程度の認識でしか捉えていなかったのです。

しかし、この時にこの問題が解決されなかったからこそ、選手の皆さんはJOCへの告発に踏み切ったのだと思います。
全柔連は、今回のこの告発が、何故全柔連ではなくJOCに対して行われたのか、その理由を深く考えるべきです。
全柔連の暴力行為への認識の甘さ、対処の甘さが、今回の自体を招いたのだと私は思います。

そして、さらに容易に推測できるのは、このような事は日本の柔道界においては日常的なことであり、今回の問題も、氷山の一角でしかないであろうという事です。

いま全柔連は組織を上げて、柔道の安全問題に取り組んでいるという姿勢を示しています。
しかし私は、暴力行為を行う人間にも、暴力行為を容認する人間にも、柔道の安全を語る資格はないと思っています。

体罰の問題でも記載をしましたが、暴力を愛の鞭であるとか、暴力で選手を強くするなどというのは、暴力を振るう側の一方的で勝手な理屈でしかありません。
暴力行為を行う人間にも、その暴力行為を容認する人間にも、真の安全配慮などできる訳がありません。

全柔連が本当に柔道の安全を考え、柔道の未来を考えるのであれば、暴力による指導を徹底的に否定し、排除するべきです。

そして今回の問題についても園田監督らには厳正な処分を課すべきであると考えます。
告発をされた選手の方は、何よりもそれを望まれて大きな決断のもと、この告発をされたはずです。

暴力問題を仕方のないこととして容認し、放置してきた柔道界の体質が、いま問われているのです。
この問題の重大さを全柔連は真摯に考え、毅然とした対応をされるべきです。


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【2013/01/30 15:45】 | 柔道の安全について
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大阪の悲しい事件によって体罰問題が表面化し大きな報道となっています。

この国には体罰を肯定する風潮があります。
肯定という言い方に拒絶感を抱く方がいれば、体罰を否定しない考え方としても構いませんが、しかし、叩く事によって強くする、叩く事で気合いを入れる、このような考え方をする教育者が間違いなく存在し、それを教師や生徒や保護者が仕方のないこととして受け入れる事は、私は、体罰を肯定しているのと同義であると考えます。

今、問題にされ、表面化しているのは、氷山の一角でしかありません。学校のスポーツ教育の場において、体罰は蔓延しています。
件のバスケット部顧問は、強くするためには体罰は必要であると話したという報道がありました。
今日も、明日も、日本中の学校で、同様の考え方を持ち生徒に暴力を振るう教育者は変わらず存在しつづけるでしょう。

叩いて強くする、叩いて気合いを入れる、などという戯言は、暴力を振るう側の一方的で勝手な理屈でしかありません。
叩かれる側は、暴力への恐怖を感じるだけです。
その恐怖故に、指導者への恭順を示すだけです。

暴力で生徒を恭順させる事、そのどこが教育なのでしょう。
このような事は、徹底的に否定されなければなりません。

秦荘中の柔道部においても、事件を起こしたI元顧問は日常的に柔道部の生徒に対して気合いを入れるなどの名目で、叩く、蹴るなどの暴力行為を行っていました。
裁判でそれを証言していただいた勇気ある生徒さんがいらっしゃいます。
柔道部の副顧問もそれを目撃していました。
裁判の過程においても、I元顧問は「気合いをいれるために生徒を叩いた事はある」と自らの暴力行為の一部を認める証言をしました。

しかし、この事を、学校や愛荘町は未だに体罰であると認めてはいません。
秦荘中学のK学校長は、この元顧問の暴力行為を認めながら、しかしそれは「生徒の成長を願っての指導であり、体罰ではない」と私に明言しました。

教師の暴力行為を認めながら、指導という都合の良い言葉に変換し、体罰ではないと言い張る姿勢。
この詭弁にまみれた姿勢こそが、体罰を肯定し、容認し、そして事件へと繋がったのです。

秦荘中学校の柔道部において、間違いなく体罰は行われていました。
それを都合の良い言葉に置き換えて否定することは、これからも、生徒への暴力行為が行われる事を学校長自らが肯定した事に他なりません。

学校教育法11条で体罰は明確に否定されています。
体罰であると認めると、学校教育法に抵触する事実があった事を認めることになる、私は学校や行政が体罰であることを認めないのは、自らの保身のためのこの下らない理由からだと思っています。
苦しめられた生徒のことなど微塵も考えていない、保身と隠蔽の姿勢でしかありません。
このような教育者、管理者がいる限り、体罰は根絶せず、そして不幸な事件はあとを断たないでしょう。

自らの過ちを真摯に認め、過った事の責任をとり、猛省し、二度とおこさないと約束し、そのための施策を実行することこそが必要であり、その事で、初めて同じような不幸な事件を未然に防ぐことができるのです。

その事に目を背けたままでは、何の解決もされません。



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【2013/01/23 12:18】 | 学校事故・事件
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明後日、2012年9月16日(日)に、全国柔道事故被害者の会の主催する第5回シンポジウム「柔道事故0へ 一刻も早い実現に向けて」を名古屋市で開催いたします。

全国柔道事故被害者の会のシンポジウムでは、これまで、学校活動における柔道事故の発生件数や死亡事故の発生率を社会学的に、柔道事故と脳損傷との関係を医学的に考察し、警鐘を鳴らしてきました。
また、海外での柔道事故の事例や安全への取り組みを紹介し、日本における柔道の安全対策の必要性を訴えてまいりました。

今回のシンポジウムでも、これまでのシンポジウムと同様に、柔道事故の発生件数や死亡事故の発生率、柔道事故における脳損傷の医学的考察、及び海外における事故事例や安全対策、柔道事故被害者の会の家族からの発表などをさせていただきます。
また、昨年の第4回シンポジウムで取り上げました、柔道事故を力学、法医学の面から検証していくという、発表もさせていただきます。

更に、今回のシンポジウムでは、バルセロナオリンピック銀メダリストの溝口紀子先生をお迎えし、柔道界の方より安全普及についてご講演をお願いしております。

シンポジウムのお申し込み、及び詳細は下記リンクをご参照ください。
http://judojiko.net/news/1251.html


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【2012/09/14 20:50】 | 全国柔道事故被害者の会
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